麦茶の常温保存はよくないの?
腐るとどうなる?
作ってから賞味期限はどのくらい?
正しい保存方法は?
その疑問、解消します!
麦茶が傷みやすい理由、
腐っているかどうかの見分け方、
常温保存できる時間の目安、
冷蔵庫保存の期間も含めて、
わかりやすくお伝えします。
麦茶の常温保存は危ない?
暑い夏、冷蔵庫でキンキンに冷やした麦茶を飲むのは格別ですよね。
俳句では夏の季語として読まれている麦茶ですが、香ばしさとさっぱりしたのどごしから、季節にかかわらず愛飲している方が多い飲料です。
冬場でも、麦茶を作り置きしておくおうちもありますし、中には家で作った麦茶を水筒に入れて、外出時に持ち歩く方もいます。
麦茶は他の清涼飲料水と違い、保存料、甘味料等の添加物が一切含まれていない他、カフェインやタンニンなども含まれていません。
そのため麦茶は安心して飲める自然飲料として、小さなお子さんから大人まで多くの方に親しまれています。
ですが、実はこの麦茶、傷みやすい飲み物なので注意が必要です。
家で作る麦茶は常温保存をすると、他のお茶に比べて腐りやすい性質があるのです。
常温とは
食べ物や飲み物を
「常温で保存する」
というときの「常温」とは、いったい何℃くらいを指すのでしょうか。
一般的には、常温というのは外の気温を超えない室温を指しますが、夏は外気も室内も相当高温になりますし、一概にはいえないですよね。
食品を「常温で保存する」場合の温度について食品表示法では定義されていませんが、『日本薬局方の記載の手引き』によると、
- 常温:15~25℃
- 室温:1~30℃
と規定されています。
したがって、常温の温度としては25℃が目安となります。
なぜ麦茶の常温保存は腐りやすいの?
麦茶は大麦を焙煎して作られています。
緑茶や紅茶、烏龍茶などは茶葉から作られていますよね。
麦茶は「茶」とついていますが、茶葉は使われておらず、市販の麦茶や麦茶パックでは、小粒大麦、大粒大麦、はだか麦などが使われています。
麦茶の特徴である香ばしい風味や美味しい成分は、「麦」に含まれている植物性油成分を焙煎によって発散させること出来ます。
麦を焙煎する工程では、でんぷん質・糖質・たんぱく質が二次的に出来ます。
その焙煎した麦を水やお湯に入れると、でんぷん質・糖質・たんぱく質が溶け出して麦茶の美味しさの成分になるというわけです。
でんぷん質というのは、菌にとって格好の餌になりやすい性質を持っています。
そのため、でんぷん質が含まれている麦から作る麦茶は傷みやすいということなんですね。
麦茶の常温保存の賞味期限は?
夏の暑い時期、クーラーをかけないでいるとキッチン周りでも30℃を超えることは多々あると思います。
30℃というと、常温とされる25℃より5℃も高い温度です。
また、冬場でも暖房の効いた部屋では25℃以上あることも多いですよね。
30℃前後の気温になるなら、時間の経過と共に水も傷みます。
何より、菌の増殖には30℃から50℃という温度が最適と言われています。
麦茶には抗菌作用のあるカテキンが入っていないので、より傷みやすいともいえます。
賞味期限については、置き場所の環境や麦茶の状態、水出し麦茶なのか煮出した麦茶なのかによっても変化します。
なので、一概には言えませんが、麦茶を常温で1日置いておくのは危険だと思います。
常温で麦茶を保存するなら数時間が限度。
麦茶は常温では日持ちさせることはとても難しい飲み物です。
もし常温で保存してしまったのなら、香りや味を確かめてくださいね。
麦茶が腐るとどうなる?
麦茶が傷んでいるかどうかは、以下のチェックをしてみてください。
- カビが生えている
- ぬめり気・とろみが出てきている
- 酸っぱくなっている(変な味がする)
- 匂いが変わってしまっている
前述のように、麦茶には抗菌作用があるカテキンが入っていない上、麦茶の原料である大麦にはでんぷん質があるため、傷みが早いという特徴があります。
冷蔵庫で冷やしていても、5日ほどでカビが生えることがあります。
ただ、麦茶の中に白いカスようなものや黒いカスのようなものが沈殿していたり、あるいは浮遊していたりすることがよくあります。
これは、麦茶の皮だったり、パックのカスという場合もあります。
その場合は、飲んでも問題はありませんが、保存していて急に増えている場合は、カビの可能性があります。
麦茶が腐ると、ミネラル分やでんぷん質などが変異してぬめり気やとろみが出できます。
この状態も完全NGです。
ぬめりが出ている麦茶は身体に影響を及ぼすレベルなので、飲むと危険です。
また、麦茶の匂いや味が変わっているのも腐っているサインだと思ってくださいね。
菌が繁殖して、風味に変化ももたらしているのです。
いずれにしても、上記のチェック項目がどれかひとつでもあてはまったら、惜しまず捨てましょう。
麦茶の正しい保存方法とは
のどごしがよく、食事にも合う麦茶は、反面、傷みやすい飲み物でもあります。
緑茶にはカテキンが入っているので、抗菌作用が働いて、菌の増殖を抑えられますが、麦茶にはカテキンが入っていません。
なので、基本、麦茶は冷蔵庫で保存します。
水出し麦茶は、水を入れたらすぐに冷蔵庫に。
煮出し麦茶の場合は、煮出してからできるだけ素早く麦茶を冷やすこと(粗熱をとる)で細菌が繁殖しにくくなります。
煮出した後、そのまま放置せず氷水が入ったボウルなどで煮出した麦茶を素早く冷まします。
熱湯で麦茶を作る場合も、同じように素早く冷ましてくださいね。
水出し麦茶も煮出し麦茶も、いずれもティーパックを入れたままで麦茶を保存すると、時間と共に質が劣化して、腐敗につながりやすくなります。
十分な濃さの麦茶が仕上がったら、ティーパックは取り出しておきましょう。
食事のときなど、食卓に麦茶を出しっぱなしにしておくことがあるかと思いますが、これはNG。
麦茶は急激な温度変化を繰り返すと傷みやすくなります。
一度冷蔵保存した麦茶を常温でしばらく置いておき、また冷蔵庫に戻すというのは、温度変化を繰り返すことになりますね。
できるだけ麦茶の温度が変化しないように使いましょう。
また、麦茶の継ぎ足しもNGです。
新しく作る際は、必ず容器を一度洗剤などで洗ってから熱湯消毒して作るようにすると安心です。
容器の水洗いだけだと、残った菌が繁殖する恐れがあります。
◇ 麦茶の容器を洗う目安はこちらをご参考に。
・麦茶のポットを洗う頻度は?容器を毎回洗わないのはNG?
わたしは夏の暑い時期は、ペットボトルの麦茶も併用しています。
ペットボトルの麦茶であれば、容器を洗う手間もなく、手軽に冷蔵庫に保存できるので重宝しています。
大容量の2リットルはケースで注文すると割安なので、防災用もかねて常時ストックしています。
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保存期間(賞味期限)の目安は?
麦茶の賞味期限は、水出し麦茶も煮出し麦茶も冷蔵庫で3~4日程度。
安全を考えるなら2~3日程度です。
水道水にはカルキが含まれているので菌が繁殖しにくいですが、浄水器の水やミネラルウォーター、煮沸したものや煮出し麦茶にはカルキが含まれません。
雑菌が繁殖しやすいことを考えると、2~3日で飲みきるのがベストです。
麦茶の常温保存は危ない?腐るとどうなる?賞味期限と正しい保存方法 まとめ
家で作る麦茶は常温保存をすると、他のお茶に比べて腐りやすい性質があります。
麦茶の成分であるでんぷん質が、菌にとって格好の餌になりやすいことが主な要因です。
また、麦茶には抗菌作用があるカテキンが入っていません。
そのため常温で麦茶を保存するなら数時間が限度。
麦茶は基本、冷蔵庫で保存します。
麦茶が傷んでいるかどうかは、以下のチェックをしてみてください。
- カビが生えている
- ぬめり気・とろみが出てきている
- 酸っぱくなっている(変な味がする)
- 匂いが変わってしまっている
麦茶は鮮度が大切な飲み物です。
「麦茶は傷みやすい」
ということを頭に入れて、
早めに飲みきるように心がけるといいですね。
◇ 記事中でご紹介した関連記事はこちら。
・麦茶のポットを洗う頻度は?容器を毎回洗わないのはNG?