小松菜とほうれん草の見分け方は?
区別するコツは?
栄養や味、食感の違いは?
どっちが優秀な野菜?
その疑問、解消します!
小松菜とほうれん草の名前の由来、
栄養価から期待できる効果や効能、
それぞれのおいしい食べ方も含めて、わかりやすくお伝えします。
小松菜とほうれん草の見分け方は?
小松菜とほうれん草ってよく似ていますよね。
どちらも「葉もの野菜」で似たような色と大きさ、値段も同じくらいですし、旬の時期も一緒、スーパーなどでは同じエリアで売られています。
パッと見だと区別しにくい小松菜とほうれん草の一番簡単な見分け方は根本を見ること。
ほうれん草の軸と根は赤くなっています。
小松菜の根本には色がついていません。
茎の太さは小松菜のほうが太く、しっかりしています。
葉っぱの形も違います。
小松菜の葉は丸みがあって縦長の楕円形。
ほうれん草の葉は縁がギザギザしていて三角形っぽいです。
また、小松菜のほうがほうれん草に比べて肉厚で、小松菜に比べるとほうれん草の葉は縮んでいます。
手に取ってみると、小松菜のほうがピンとして葉も茎もハリがあります。
茎と葉に注目すると、小松菜とほうれん草はすぐに見分けがつくようになります。
見分け方のコツがわかると、宅配で取寄せした野菜ボックスなどにどっちかが入っている場合でも、「?」と思うことはなくなりますね。
小松菜とほうれん草の違いは?
小松菜とほうれん草は一年を通して手に入りますが、どちらも冬が旬の野菜です。
冬になるとより栄養価が高くなり、味がしっかりしています。
同じ緑黄色野菜なので、含まれている栄養素も似ているのですが、小松菜とほうれん草は名前が違うだけに、それぞれに特徴があります。
小松菜とは?
小松菜は日本原産の野菜です。
もともと東京都江戸川区の葛西、小松川地域で栽培されていたことから「小松菜」という名前がつきました。
小松菜の名前は、江戸時代に記された書物に度々登場しています。
このことから、小松菜が関東では広く普及したようです。
小松菜は「ツケナ」の一種です。
ツケナというのは、アブラナ科アブラナ属に分類される「結球しない葉菜類」のこと。
チンゲンサイやタアサイ、からし菜などもツケナの仲間です。
ほうれん草とは?
ほうれん草の原産は中央アジアから西アジア、カスピ海南西部近辺と見られています。
日本には江戸時代初期(17世紀)頃に東洋種が渡来し、19世紀後半には西洋種が入ってきました。
ほうれん草は、ヒユ科アカザ亜科ホウレンソウ属の野菜です。
ほうれん草の「ほうれん」は、中国の唐代に「頗稜(ホリン)国」(現在のネパール、もしくはペルシアを指す)から伝わったからとされています。
後に改字して「菠薐(ホリン)」となり、日本ではそれが「ほうれん」となったといわれています。
日本では西洋種(葉が厚く丸みを帯びている)と東洋種(葉が薄く切り込みが多く根元が赤い)の2種類が栽培されています。
小松菜とほうれん草の栄養の違いは?
小松菜とほうれん草は、どちらも多くの栄養を含んでいます。
ビタミン、ミネラル、カロテン、などなどいっぱいです。
ですが、似ているように見えて、栄養素では互いに特徴があります。
小松菜の栄養は?
小松菜はβカロテンやビタミンCを豊富に含んでいます。
βカロテンは体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を保護する作用があります。
βカロテンの抗酸化作用はがんや風邪などの予防効果があるとされ、ビタミンCとの相乗効果で免疫力アップや美容効果が期待できます。
小松菜にはカルシウムが多く含まれており、ほうれん草の約3倍とされています。
ときに、「カルシウムの王様」とも呼ばれるのが小松菜です。
野菜でカルシウムを摂りたい時は、一押しです。
小松菜には貧血予防に効果がある鉄分や、血圧の上昇を抑制する作用のあるカリウムも含まれています。
鉄分の含有量は、ほうれん草の約2倍です。
ほうれん草の栄養は?
ほうれん草には、βカロテン、カルシウム、マグネシウム、鉄分、ビタミンCなどが含まれています。
特に旬の冬ものはビタミンCの含有量が増します。
ほうれん草独特の赤い軸と根本のところには「マンガン」が含まれています。
マンガンは骨の育成に役立ち、美肌にも効果があるといわれています。
ほうれん草にも、βカロテンと葉酸が多く含まれています。
葉酸は、ビタミンの一種で血液を作るのに重要な働きをする成分です。
そして、ほうれん草にはアクの成分であるシュウ酸が含まれています。
なので、料理に使用する前は下茹でをしてアクを抜くことが必要です。
小松菜とほうれん草の味の違いは?
ほうれん草と小松菜は味や食感にも違いがあります。
わたしは大の小松菜好きで、ある時期、小松菜を主食にする食事療法にはまり、一日に2束から3束をひとりでモリモリ食べていました(笑)。
小松菜はアクが少ないので生でも食べることができます。
スムージーに入れて、グリーンスムージーを作る人も多いですね。
味にクセがないので、りんごやバナナと一緒に野菜ジュースにしても美味しくいただけます。
小松菜は、加熱するとやわらかくなるのでお浸しや炒め物など、調理がしやすい野菜です。
サッと炒めればシャキシャキ感を味わえますし、長く炒めてクタクタにすると甘みが出て、それはそれでとても美味しいのが小松菜です。
油ととても相性がいいので、サラダ油、ごま油やオリーブオイルなど、油を変えるだけでも風味が変わっておいしくいただけます。
小松菜に含まれるカロテンは油と一緒にとると吸収率が上がるので、小松菜と油の組み合わせはおすすめです。
オリーブオイルにガーリックを加えて香りを出し、小松菜を炒めたものは、主菜にも副菜にもなりますし、パスタに加えても美味しいです。
冷めても美味しいので、2束ほどまとめて炒めて、冷蔵庫に常備しておくと便利です。
小松菜の青み(苦味)が気になる場合は、火を入れる時間を長くすると、甘みが感じられるようになります。
先述のように、ほうれん草にはアクの成分であるシュウ酸が含まれているので、料理に使用する前はアク抜きが必要です。
ほうれん草をアク抜きするとき、茹ですぎると、熱に弱いビタミンCやビタミンB郡は水に溶け出てしまいます。
お湯が緑色になるのはそのためなんですが、シュウ酸はえぐみなど味覚に影響するだけではなく、尿結石の原因にもなります。
ほうれん草のアク抜きは、1分ほどで手早く茹で、水にさらして粗熱が取れたらすぐに引き上げるようにします。
ただ、最近は「サラダほうれん草」などの名前で、生で食べられるアクのないほうれん草も売られていますし、スーパーで購入するほうれん草は昔ほどアクが強くないものが多いです。
小松菜に比べると、ほうれん草は独特の味があって、柔らかい食感といったところです。
小松菜には小松菜の良いところがあり、ほうれん草にはほうれん草の良いところがあります。
どちらも栄養たっぷりですし、一概にどっちが優秀とはいえません。
小松菜とほうれん草の違いと見分け方は?栄養や味はどう違う? まとめ
小松菜とほうれん草の一番簡単な見分け方は根本を見ること。
ほうれん草の軸と根は赤くなっています。
小松菜は日本原産の野菜で、ほうれん草の原産は中央アジアから西アジア、カスピ海南西部近辺と見られています。
小松菜とほうれん草は、どちらも多くの栄養を含んでいます。
比較すると、小松菜には鉄分とカルシウムが多く、ほうれん草の方が多いのは、カロテンと葉酸です。
- 小松菜:クセがなく、シャキシャキの食感
- ほうれん草:独特の味があり、柔らかい食感
どちらも他の野菜に比べると、多くの栄養が含まれています。
小松菜とほうれん草の旬は冬ですが、健康のためにも一年を通して食べたい野菜ですね。
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