歳末とはどんな意味?
いつからいつまでのことを言うの?
言葉の由来はどこから?
どんな使い方をする?
その疑問、解消します!
歳末と数え年の関係、
歳末セールと年末セールの語感によるイメージ、
企業側の言葉の選び方も含めて、
わかりやすくお伝えします。
歳末の意味とは?
日に日に寒さが厳しくなり、吐く息の白さに本格的な冬を感じる頃。
「今年も残すところ、、、」
といった時期になると、
『歳末たすけあい運動』とか、
『歳末セール』とか、
よく「歳末」という言葉を見かけたり聞いたりしますね。
「歳末」は「さいまつ」と読みます。
歳末の意味は、年の暮れ。
歳末とは年の終わり、一年の終わり、年末のことです。
歳末を広辞苑で調べると、
年のすえ。年の暮れ。年末。歳暮。季語:冬
とあります。
「歳暮(せいぼ・さいぼ)」というのは、年の暮れ、年末のことです。
お歳暮の「歳暮」には、「年末」と同じ意味があるのです。
年の暮れを指す歳末は、『歳末大売り出し』や『歳末セール』、『歳末商戦』といったように、他の言葉とセットで使われることが多くなります。
これは歳末が意味する「年末」という言葉にそのまま置き換えられます。
『年末大売り出し』『年末セール』『年末商戦』もよく見聞きする言葉ですよね。
歳末の由来はどこから?
年の暮れ、年末を意味する「歳末」の由来は、年齢の数え方から来ています。
普段わたしたちは、誕生日が来るとひとつ歳をとります。
この年齢の数え方を「満年齢」といいますが、
昔の人は「数え年」という年齢の数え方をしていました。
数え年というのは、
「1月1日になると、誰もがみな等しく歳をとる」
という考え方です。
極端な例でいうと、
数え年では12月31日生まれの赤ちゃんは、翌日(1月1日)には2歳になります。
12月31日に生まれた赤ちゃんはその時点で1歳。
数え年では生まれた瞬間に1歳とカウントします。
翌日の1月1日は誰もが歳をとる日なので、昨日生まれた赤ちゃんは2歳。
現代の満年齢の数え方では、実際は0歳ですから、この時点で実年齢よりプラス2歳となります。
翌年の12月31日の誕生日が実年齢1歳ですが、数え年では誕生日に年齢はカウントしません。
年が改まった1月1日に3歳となるのです。
「1月1日になると、誰もがみな等しく歳をとる」
という数え年の考え方では、
『誰にとっても、12月はその年齢の終わり』
となりますよね。
この数え年の数え方から、「その年齢、その歳の終わり」ということで「歳末」と呼ばれるようになったわけです。
数え年は日本に昔から伝わる年齢の数え方です。
昔の人は大家族だったので、家族全員の誕生日を覚えているよりも、
「新しい年に歳神さまから一つ歳をいただく」
という考え方のほうが、合理的だったということもあるようです。
今でも数え年は七五三などの伝統行事で使われたり、
お年寄りの中には、年齢を尋ねると数え年で年齢を答える方もいます。
◇ 数え年について詳しくはこちらをどうぞ
・満年齢と数え年の違いがすぐわかる数え方と早生まれの由来
年末は年の末、歳末はそのときの年齢の末。
歳末は何かと慌ただしい時期ですが、数え年ではこの年齢が終わるのだと考えると、ちょっと感慨深いものがあります。
歳末はいつからいつまで?
昨年、11月の末に有名靴ブランドの『歳末セール』のチラシが新聞に入ってました。
「11月でもう歳末?」
とちょっとビックリでしたが、
そのあと出かけた近所の商店街の中にも、『歳末ディスカウント』の張り紙が。
セールが早くなるのは大歓迎ですが、
「歳末っていつから?」
と友人たちと話題になりました。
以前、中堅の企業で販売促進を担当していた知人から、年末と歳末の使い分けを聞いたことがあります。
その会社では、「年末」には「年が終わる」というイメージがあるので、まだ年の暮れには早いという時期には、「歳末」を使うのだと。
確かに、「年末セール」とか「年末大売り出し」だと、売れ残りの在庫一掃感があるような、、、
同じセールでも、「歳末セール」とか「歳末大売り出し」のほうが、新しい年を迎える躍動感がある気がします。
実際、企業や店舗によっては、ゲン担ぎで「年末」を使わずに「歳末」を使っているところも少なくないようです。
意味的には同じ言葉でも、商売ともなれば語感のイメージは重要なんですね。
歳末はいつからいつまで?
歳末は、年の暮れを意味する言葉。
一般的には12月1日から31日までの1ヶ月間が歳末です。
年末になると各地で毎年行われる『歳末たすけあい運動』も、12月1日から31日の期間に行われます。
例年、NHKも12月になると『歳末たすけあい募金』を呼びかけています。
警察署の垂れ幕や、歩道橋などで目にする『歳末取締期間』の横幕も登場するのは12月です。
ちなみに、手紙の挨拶などに使う「歳末の候」の場合は、12月下旬に使うのが適している時候の挨拶です。
12月上旬から12月中旬は、「師走の候」を使うほうが無難です。
歳末とはどんな意味?いつからいつまでを言うの?由来でわかる使い方 まとめ
歳末の意味は、年の暮れ。
年の終わり、一年の終わり、年末のことです。
年の暮れを指す歳末は、『歳末大売り出し』や『歳末セール』、『歳末商戦』といったように、他の言葉とセットで使われることが多くなります。
歳末という言葉の由来は、昔の年齢の数え方である「数え年」にあります。
数え年では、
『誰にとっても、12月はその年齢の終わり』
となることから、一年の終わりを歳末と呼ぶようになりました。
一般的に歳末の時期は12月1日から31日までの1ヶ月間。
街はクリスマスや歳末セールで大賑わいですが、風邪やインフルエンザが流行る時期でもあります。
年の終わりの歳末は身体にも気を配って、新しい年を迎える準備を心がけたいものですね。
◇ 歳末については、こちらもご参考に。
・年末と歳末の違いは?年と歳の漢字でわかる使い分け方とは?
◇ 記事中でご紹介した関連記事
・満年齢と数え年の違いがすぐわかる数え方と早生まれの由来