五月晴れの読み方は?
どんな意味があるの?
いつの時期に使う言葉?
5月に使うのは間違いって本当?
その疑問、解消します!
五月晴れが持つ本来の意味、
旧暦と新暦の季節感、
俳句の季語で使われた作品、
実際の日常での使い方も含めて、
わかりやすくお伝えします。
五月晴れの読み方は?
広がる青空、
五月晴れの抜けるような良いお天気、
気持ちいいですよね。
五月晴れは「さつきばれ」と読みます。
たまに「ごがつばれ」と言う人もいますが、
一般的には、五月晴れを「ごがつばれ」と読む機会は少なく、
「さつきばれ」と読むことが正しいとされています。
五月晴れの意味は?
五月晴れの本来の意味は、
『陰暦五月の五月雨(さみだれ=梅雨)の合間の晴れ間』
です。
五月を「さつき」と読むのは、
旧暦の五月の呼称(和風月名)を指しているから。
なので、
「ごがつ」
とは言わないんですね。
ちなみに、「さつき」は、稲作と強く結びついた言葉であり、
稲作の作業(田植え)が始まる月という意味合いがあったとされています。
五月晴れはいつのことをいうの?
五月晴れといえば、
ゴールデンウイークあたりのよく晴れた空をイメージするかもですが、
五月晴れは五月の快晴ではなくて、梅雨どきの晴れ間のことです(五月に使う場合については後述します)。
陰暦五月というのは旧暦の五月で、
現在の暦である新暦では6月に相当します。
旧暦の五月、つまり現在の6月は梅雨の時期にあたることから、
梅雨のうっとおしいぐずぐずしたお天気が続く中で、
スッキリ晴れ渡った状態を五月晴れといいます。
秋なのに『小春日和』というのと、ちょっと似ていますね。
◇ 小春日和について詳しくはこちら。
・小春日和の意味と使い方を教えて!どの時期に使う?季語はいつ?
五月が旧暦であることを考えれば、
五月晴れがいつのことをいうのかというと、
『梅雨の晴れ間』
『梅雨の合間の晴れた天気』
のことを示していることになります。
梅雨の長雨が続き、空模様も気分もスッキリしない時期、
ふと晴れ間がのぞく日。
梅雨時期になるとよくありますよね。
あの晴れた天気のことを五月晴れというのです。
五月晴れの季語は?
俳句の季語では、
梅雨明け直後の晴れ間も「五月晴れ」と呼ぶことから、
初夏の季語として使われています。
五月晴れを季語として用いている俳句として有名なものに、
「木のまたに朝日出でけり五月晴」
があります。
俳人・歌人として有名な正岡子規(1867年-1902年)の作品なので、
知っている人も多いかもしれませんね。
正岡子規は五月晴れを使った俳句を多く残しています。
「うれしさや小草影もつ五月晴」
「見えそめて青雲うれし五月晴」
「下駄洗ふ音無川や五月晴」
「山畑や物種栽る五月晴」
「早咲の朝顔赤し五月晴」
というのもあります。
いずれも、お天気が良い様子が伝わってきますね。
五月晴れを5月に使うのは間違い?
本来の五月晴れというのは、
『梅雨の晴れ間』を指す言葉だとお伝えしてきましたが、
実際のところ、
五月晴れは
『5月のすがすがしい晴れ』
を指す言葉として広く使われています。
テレビ・ラジオの放送や新聞・雑誌などのマスメディアでも、
五月晴れは梅雨に関係なく「5月の晴れの日」を指して言う場合に使われています。
言葉は時代と共に変化します。
もともと『梅雨の晴れ間』『梅雨の合間の晴天』を指す五月晴れが、
時が経つにつれ誤って、
『新暦の5月の晴れ』
の意味でも使われるようになり、
この誤った使い方が定着したのです。
そのため、五月晴れを
広辞苑では、
(2) 5月の空の晴れわたること。また、その晴れ渡った空
ブリタニカ国際大百科事典では、
(株)朝日新聞出版発行の「とっさの日本語便利帳」では、
もとは旧暦五月の梅雨の晴れ間を指した。
といったように、新旧両方の意味を記述しています。
俳句の季語としては、もともとの意味で使われることが多く、
歳時記によっては、
「陽暦五月の快晴を五月晴と言うのは誤用」
と明記してあるケースもあります。
五月晴れの読み方と意味は?時期はいつ?5月に使うのは間違いなの? まとめ
五月晴れは「さつきばれ」と読みます。
五月晴れの本来の意味は、
『梅雨の晴れ間』
『梅雨の合間の晴れた天気』
のことを示していますが、
実際のところ、
五月晴れは梅雨に関係なく、
『5月のすがすがしい晴れ』
を指す言葉として広く使われています。
現在では、文字通り、
「5月の晴れた天気」を示す言葉として使っても間違いではありません。
季語としては本来の意味どおり、
初夏の季語として使われています。
「五月晴れ」のように、
誤用から使われ方が変化した言葉は数多くありますが、
もともとの言葉の意味を知ると、
美しい日本語の奥深さをより感じますね。
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