6月に祝日がない理由は?
どうして祝日を作らないの?
祝日は誰が決める?
これから祝日が増える予定は?
その疑問、解消します!
6月の祝日と教育界や経済界との関係、
世界から観た年間の祝日数、
今後期待される6月の祝日の制定案件も含めて、
わかりやすくお伝えします。
6月に祝日がない!
5月のゴールデンウイークが終わり、
次の祝日はいつ?とカレンダーをめくると、
なんと、6月には祝日がない!
5月5日の『こどもの日』のあとは、
翌々月の7月第3月曜日の『海の日』まで、
祝日がひとつもないのです。
6月のカレンダーは見た目がスッキリ、
土日以外はすべて平日の月です。
6月といえば梅雨の時期。
ぐずついたお天気に加えて、
祝日がない単調なカレンダーは余計に気が滅入ることも。
ゴールデンウイークとお盆休みの中間にあたる6月。
ここはぜひとも一息つく祝日がほしいところです。
なぜ6月には祝日がないのでしょうか。
6月に祝日がない理由は?
2015年までは6月と8月が祝日のない月でしたが、
2016年から8月11日が祝日の『山の日』となり、
1年の中で6月だけが祝日がない月となってしまいました。
2020年からは天皇誕生日が2月23日。
なので、6月と12月が祝日のない月になりますね。
6月に祝日がない4つの理由とは?
6月に祝日がない理由はいくつかありますが、
その原因となっているのは大別すると以下の4つです。
- 6月は祝日の理由になる特別な日がない
- 教育界の反発
- 経済界の反発
- 他国との祝日の数の比較
6月は祝日の理由になる特別な日がない
6月に祝日がない最大の理由は、
「6月には祝日とするべき特別な日や記念になる日がないから」
です。
今の祝日を見ればわかるように、
祝日は何かしらの記念日であったり、
特別な日に設けられています。
たとえば、
1月1日の『元日』は新しい年の訪れを祝って祝日になっていますし、
2月11日の『建国記念の日』は歴史的な日が祝日になっています。
『天皇誕生日』なら、
「天皇の生誕を記念してこの日を祝日にしよう」
と決まるわけですが、
現状、6月にはこういった特別な日や記念になる日がありません。
古くから続く天皇家由来の節目の日もなく、
庶民の生活にもこれといったハレの行事がないんですね。
そもそも祝日というのは、
1948年に施行された法律「国民の祝日に関する法律(祝日法)」で定められているもので、
建国や独立など、その国の大きな出来事や記念日を国が制定した日です。
国が制定するということは、
わたしたちが選んだ国会議員が祝日を決めているということです。
祝日法第1条では法の趣旨を以下のように説明しています。
上記のような重要視するべき日が6月には元々ないというのが、
6月に祝日がない大きな原因となっています。
◇ 祝日について詳しくはこちらをご参考に。
・祝日と祭日の違いとは?ひと目でわかる国民の祝日の意味を一覧で!
教育界の反発
6月に祝日がないということから、
「6月に祝日を作ろう!」
という動きも過去にはありました。
2016年から施行された「山の日」は当初、
6月が最も有力な候補だったと言われています。
ところが、
これには教育会からの反発があったため見送られたという経緯があります。
「ゆとり教育」という言葉を聞いたことがあると思います。
ゆとり教育とは、詰め込み教育に対し提唱された教育のあり方で、
学校週5日制を完全実施、
そのため土曜日の授業時数が減って、
教科の学習内容は一律に3割程度削られました。
ですが、
こうしたゆとり教育による学力の低下が問題視されるようになり、
6月に祝日を設けようという動きに、
教育界が、
「子どもの授業日数の減少が懸念される」
「平日の授業時間をこれ以上減らすわけにはいかない」
と、授業時間の確保を訴えて反発したのです。
その結果、
『山の日』は子どもたちの学習時間に影響を与えない夏休み中の8月に落ち着いたと言われています。
経済界の反発
多くの会社で定時株主総会が6月下旬に集中しています。
その理由は、事業年度を4月1日から翌年の3月31日までとしている会社が多く、
その事業年度が終了すると、
会社法の定めによって、
そこから3カ月以内に株主総会を開催しなければならない決まりがあるからです。
6月に祝日を設けることに経済界は、
「株主総会を控えている月だから」
と反発。
先述の『山の日』を6月にするという案にも、
教育会同様、反対したと言われています。
他国との祝日の数の比較
現在、「国民の祝日に関する法律(祝日法)」で定められている祝日は以下の通りです。
元日……1月1日
成人の日……1月の第2月曜日
建国記念の日……政令で定める日
天皇誕生日……2月23日
春分の日……春分日
昭和の日……4月29日
憲法記念日……5月3日
みどりの日……5月4日
こどもの日……5月5日
海の日……7月の第3月曜日
山の日……8月11日
敬老の日……9月の第3月曜日
秋分の日……秋分日
スポーツの日……10月の第2月曜日
文化の日……11月3日
勤労感謝の日……11月23日
現在の日本の祝日は年間16日。
長時間労働が社会問題になるほど休めないイメージが強い日本ですが、
先進国の中でも日本の祝日の日数は群を抜いています。
たとえば、アメリカは年間10日。
州や宗教など独自の条例で若干増えることもありますが、
フランスもドイツも年間10日程度。
イギリスの祝日は年間8日です。
国によってバカンスや有給といった文化的な背景に違いはありますが、
日本の祝日は16日もあるということで、
これ以上増やすのはよろしくないという意見も多いようです。
ただ、日本の場合、
「有給が取りにくい」
という社会的背景があるので、
一概に海外と比較するのもどうかとは思うのですが、
グローバル化した仕事や生産ラインなどでは、
「これ以上祝日を増やすな」
という声が多いのも事実です。
祝日が増える予定や可能性は?
現状、祝日が増える予定の具体的な動きはありません。
今後、6月に祝日が制定されるかどうかは、
可能性としては無きにしもあらず、
といったところです。
前述のように6月に祝日がない理由も、
『山の日』が8月になったのも、
基本的に休みを増やすということは避けられていることから、
可能性としては少ないと思われますが、
増える見込みとしては以下の2点が考えられます。
- 過労死対策
- 時の記念日の制定
過労死対策で祝日が増える?
過去、バブル期には毎月祝日を制定することに取り組んでいましたが、
バブル崩壊やゆとり教育による週休2日制が普及したたため、
祝日の制定に消極的になった経緯があります。
ですが近年、とりわけ注目されているのが過労死の問題です。
過労死対策弁護団全国連絡会議は、
6月に祝日がないことを懸念し、
厚生労働省にあてて6月に祝日を制定することを要望しています。
少し触れましたが、
日本は有給休暇が取りにくい環境の職場が多く、
祝日といった「お休み」が必要だという声も少なくありません。
このあたりは世論の動きが影響していくかもです。
時の記念日で祝日が増える?
以前から6月の祝日候補と言われているものに、
6月10日の「時の記念日」があります。
「時時の記念日」は時間の大切さを意識する日。
「時時の記念日」が制定されたのは1920年(大正9年)とずいぶん昔ですが、
天文学を研究する国立天文台と、
文部省の関連団体である生活改善同盟会によって制定された記念日で、
天智天皇が日本初の水時計を作った事に由来していることから、
「祝日につながるのでは」
という期待がこめられています。
◇ 時の記念日について詳しくはこちら。
・時の記念日とは何をする日?意味や由来でわかる6月10日になったわけ
6月に祝日がない4つの理由とは?これから増える予定や見込みはある? まとめ
6月に祝日がない理由は以下の4つ。
- 6月は祝日の理由になる特別な日がない
- 教育界の反発
- 経済界の反発
- 他国との祝日の数の比較
今のところは
6月に祝日が制定されるという具体的な予定はありません。
今後、6月に祝日が制定されるかどうかは、
「可能性としては無きにしもあらず」
といったところです。
6月に祝日がない理由に、
『ゆとり教育』や『株主総会』が
関係するというのは、事情を知ると
「なるほど納得」
といった感もあります。
現在の日本の祝日は年間16日。
社会人にとって祝日のない6月はちょっとツライ気もしますが、
夏に向けて体調管理に気をつけて、
元気に乗り切っていきたいものですね。
◇ 祝日の話題 こちらもどうぞ。
・4月29日の昭和の日とは何する日?みどりの日が移動した理由はなぜ?
◇ 記事中でご紹介した関連記事はこちら。
・祝日と祭日の違いとは?ひと目でわかる国民の祝日の意味を一覧で!
・時の記念日とは何をする日?意味や由来でわかる6月10日になったわけ