内閣総理大臣と首相はどう違う?
首相と総理と総理大臣の使い分け方は?
総理大臣と総裁に違いはあるの?
政党トップの呼び方って?
今更聞けない「総理大臣」「首相」「総裁」「総理」の意味の違い、
使い分け方を政治オンチなあなたにもわかりやすく解説します。
内閣総理大臣と首相の使い分け方の違いは何?
「首相」というのは、「内閣総理大臣」の通称です。
内閣総理大臣とは、日本の「行政権」の長を表す正式な呼称です。
内閣総理大臣という呼称は、日本独自のものですが、日本では法律の上でも正式な名称で、政治上のトップになります。
日本は三権分立の国家。
国家権力が、「立法〈立法権〉」、「行政〈行政権〉」、「司法〈司法権〉」に三分され、それぞれを国会、内閣、裁判所が担う制度をとっています。
三権を相互に監視させることにより、国家権力の暴走を防ぐ効果が期待されているわけです。
日本の場合、立法権の長は衆議院議長と参議院議長、行政権の長は内閣総理大臣、司法権の長は最高裁判所長官です。
この三権分立の行政権のトップ責任者が内閣総理大臣です。
内閣総理大臣は大臣を取りまとめる人
内閣総理大臣は、国会議員の中から選出されます。
国会は国民が選挙で選んだ議員の集まり。
内閣総理大臣の内閣とは各省庁の国務大臣の集まりです。
国務大臣は、財務省や外務省などの省庁で一番偉い人のこと。
各省庁の国務大臣が集まった内閣を取りまとめ、最終的な責任を持つのが内閣総理大臣、通称「首相」の役目です。
国民が幸せに暮らせるように、健康を守ったり仕事をしやすくしたり、そのためのお金(税金)を集める行政機関の責任者が内閣総理大臣というわけです。
内閣総理大臣の通称が首相でしたね。
首相という呼び名は「首席宰相(しゅせきさいしょう)」を短くしたものです。
「首」と「相」とで首相です。
外務大臣を「外相(外務相)」、財務大臣を「財相(財務相)」と呼ぶように、「相」は「大臣」のことで、首相は「内閣の首席大臣」を表します。
首相とは、行政機関のトップの大臣、つまり行政のリーダーを指します。
法律上の正式名称が「内閣総理大臣」のため、法令で「首相」を使うことはありません。
海外で首相はPrime minister
「内閣総理大臣」というのは日本固有の官職名ですが、海外のメディアからは英語で「Prime minister」と呼ばれます。
国際的には議院内閣制をとっている国の政治的トップは「首相」と呼ばれることが多く、政治の最高責任者を表す際は、基本的に「Prime minister(首相)」となります。
イギリスのスターマー首相、ドイツのショルツ首相、など、首相という呼び名は、日本のみならず、世界各国に存在します。
他の国にもそれぞれ固有の官職名があります。
首相はあくまで、行政のリーダーを指す言葉なので、国によって首相の呼び名はバラバラです。
首相は、国民が直接選ぶのではなく、議会が投票した人が選ばれます。
多くは与党の党首が、首相に任命されます。
首相は政府の最高責任者であり、その国のトップではありません。
首相の権限はその国によって様々です。
首相と総理と総理大臣はニュースで使い分け?
「首相」は内閣総理大臣の通称。
「総理大臣」や「総理」は内閣総理大臣の略称です。
要するに首相も総理大臣も総理も「内閣総理大臣」ということなんですが。
実は、新聞やニュースでは「首相」「総理大臣」「総理」は使い分けられていることが多いのです。
新聞やニュースの『文字』では「首相」「総理」とは書きません、。
ニュースの『読み』では「総理大臣」や「総理」と使われることが圧倒的に多いです。
どうして文字表示とラジオやテレビのニュースが統一されていないのでしょう。
その理由は、聞き間違いをなくすためにあるようです。
財務大臣を「財務相(ざいむしょう)」、外務大臣を「外務相(がいむしょう)」と読んだ場合、「財務省」や「外務省」と区別がつきませんよね。
ニュースなどで読む場合は、大臣を指す「相」と「省」の区別がつかなくなるため、字幕が「防衛相」であっても「防衛大臣」と読み上げるほうが一般的です。
こうした聞き間違いを避けるため、官僚の呼称は「大臣」で統一され、それに合わせて「首相」も、「総理大臣」や「総理」と呼ぶことが定着したようです。
こうして、文字には一般的な「首相」を使い、読みには「総理大臣」や「総理」と使い分けられるようになってきたんですね。
総理大臣と総裁の違いとは?政党のトップの呼び方
「総裁」も「首相」や「内閣総理大臣」と同義語に思われがちですが、
「総裁」と「首相」・「内閣総理大臣」は全く違うものです。
総裁というのは、ある機関や組織、団体の長として全体を取りまとめる職務のことで、内閣に「総裁」という職名があるわけではありません。
日本銀行のトップを「日銀総裁」と呼びますよね。
大川興業のトップは「大川総裁」です(笑)。
自民党総裁というのは、「自民党の党首」という意味です。
自民党総裁が総理大臣になると
自民党が与党の場合、基本、首相と党首が同一になることから
という図式になり、「総理総裁」といった形になるのです。
ちなみに、自民党が第一党で過半数を獲得していたとしても、内閣総理大臣は国会議員であればよく、党首がなる必要はありません。
なので、必ずしも、「総裁=内閣総理大臣」になるとは限らないのです。
政党のトップの呼び方
自民党のトップである党首は「総裁」と呼ばれますが、各政党によって最高責任者である党首の呼び方は異なります。
■ 主要政党トップの呼び方
・自由民主党 → 「総裁」
・公明党 → 「代表」
・共産党 → 「委員長」
・立憲民主党 → 「代表」
・日本維新の会 → 「代表」「共同代表」
・国民民主党 → 「代表」
・社民党 → 「党首」
・れいわ新選組 → 「代表」
内閣総理大臣と首相の使い分けとは?首相と総理と総理大臣と総裁の違い まとめ
自民党の党首が内閣総理大臣になっている時は、「首相」「総理」「総裁」は内閣総理大臣と同じ人です。
内閣総理大臣は、日本の国の仕事をしているときは、「首相」と呼ばれたり、「総理」と呼ばれたりします。
自民党の内閣総理大臣が、自民党の仕事をするときは、「総裁」と呼ばれます。
一見、ややこしく思える「首相」「総理」「総裁」も意味がわかるとスッキリしますね。
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