かぼちゃを冬至に食べる理由は?
「ん」がつく食べ物は運気アップ?
かぼちゃのいとこ煮が最適なワケとは?
その疑問、解消します!
かぼちゃは本来夏の食べ物。
どうして寒い冬に食べるのか、
「ん」が重なる食べ物との関係も含めて、
わかりやすくお伝えします。
かぼちゃを冬至に食べる理由とは?
子どもの頃からかぼちゃが大好きで、特に12月の「冬至」のときに母が作ってくれるかぼちゃと小豆の煮物はとても楽しみでした。
自分で料理をするようになって、保存が効いて美味しいかぼちゃは、ホントありがたい根菜だと思います。
収穫してから時間を置いた方が美味しくなる野菜のひとつが冬至の時期のかぼちゃ。
パンパンに張った緑の皮を叩いて音を聞き、包丁を入れると、お日様みたいな色のギュッとつまった果肉があらわれます。
夏から秋にかけて蓄えた滋養がみっちり詰まっている感じがして、カットするそばから笑顔になってしまいます。
「かぼちゃを冬至に食べると風邪をひかない」
とよく言われます。
確かにかぼちゃには、ビタミンAとカロチンが多く含まれています。
これらの栄養素は、風邪の予防に効果があるとされていますが、かぼちゃは夏野菜。
なぜ「冬至の日」と夏野菜の「かぼちゃ」という組み合わせになったのでしょう。
冬至とはどんな日?
冬至は一年の中で最も日が短くなる日です。
最も日が短いということは、最も夜が長くなる日でもあります。
古来、この冬至は新年の起点として考えられていました。
一年で最も日が短い冬至は、この日を境に日照時間がのびてゆくため、中国の暦では冬至は暦の起点とされ、厳粛な儀式を行っていました。
これが日本に伝わり、宮中行事にも取り入れられたといいます。
新年を迎えるにあたり、身体を清めるためにゆず湯に入ったり、無病息災を願った風習が庶民にも拡がり、今に至っています。
冬至にかぼちゃを食べる理由
冬至にかぼちゃなどを食べる習慣は、江戸時代頃からあったと言われています。
昔の日本では冬至の頃になると秋野菜の収穫も終わって、食べられる野菜もほとんどなくなっていました。
そこで元気に冬を越せるようにと願いを込め、栄養もあって保存もきくかぼちゃは特別に大切にしていたようです。
寒い冬、食料が乏しい中でビタミンなどの供給源が不足している時期に、かぼちゃは貴重なものだったといえます。
冬至とかぼちゃが結びついたのには諸説ありますが、代表的なものを4つお伝えしますね。
■ 1. 健康の不安を取り除くため
冬至は暦の起点である一方、生命の終わる時期とも考えられていました。
不安を取り除くために、無病息災の祈願が行われており、その時に食べられていたものの1つがかぼちゃだったと言われています。
■2. 陽の気を補うため
陰陽思想では、冬を「陰」、夏を「陽」と考えていました。
夏(陽の時期)野菜のかぼちゃを食べることで、「陽」の気を補うという意味があったとも言われています。
夏の元気パワーを少しでも取り入れて冬を乗り切ろう、という考えですね。
■3. 一陽来復の感謝をささげるため
「一陽来復(いちようらいふく)」とは、冬至の別名です。
お日さま(太陽)の力が最も弱った後に日々回復していくことから、冬が終わって春になるという意味や、これから幸運が訪れるといった、ポジティブな意味合いがある言葉です。
◇ 一陽来復についてはこちらに詳しく。
・冬至は年に一度の運気を上げる開運日!願いを叶える7つの行動とは?
冬至はお日さまに「一陽来復」を祈る日でもありました。
なので、お日さまにちなんで丸いものをお供えして、1年の感謝を捧げてきました。
この時期までに収穫したかぼちゃ、ユズ、ミカン、柿、などがお供えとして使われました。
中でも夏の収穫から保存のきくかぼちゃは貴重な供物でした。
■4. 運をつけるため
上述のように冬至は一陽来復の日。
物事が良い方向へ進むスタートの日に、よりたくさんの「運」をつけようと、「ん=(運)」が入った食べ物を食べたという説です。
語呂合わせの遊びっぽい要素ですね。
あれ、かぼちゃに「ん」がない?
いえいえ、ちゃんと入っているんです。
かぼちゃは「南瓜(なんきん)」ともいいます。
南瓜(なんきん)には「ん」が2つも入ってますよね。
冬至に「ん」がつく食べ物で運気アップ!
冬至は一陽来復の日。
上述のように一陽来復には、冬が終わって新しい春が来ることや、この日を境に運気が上がるといった意味があります。
昔の人々は、運が上昇しはじめる一陽来復の日である冬至にもっと「運」をつけるため、「ん」のつく食べ物を食べるという「運盛り」という縁起かつぎをするようになりました。
「ん」は「いろはにほへと~」の最後の文字です。
そのことから、「いろはにほへと~」を冬至の流れと見立てて、「ん」のつく食べ物を食べると、また初めの文字に戻り、それが冬至の一陽来復に通じるとしました。
「ん」がつく冬至におすすめの食べ物
冬至に特にお勧めの食べ物が、「冬至の七種(ななくさ)」といわれる名前の中に「ん」が2つ含まれる食材です。
- 南瓜(なんきん)=かぼちゃ
- 蓮根(れんこん)
- 人参(にんじん)
- 銀杏(ぎんなん)
- 金柑(きんかん)
- 寒天(かんてん)
- 饂飩(うんどん)=うどん
画像のうどんは「あんかけうどん」
「ん」が2つはいっている上、具材に「人参(にんじん)」も入っているのでダブル効果がありそうです。
余談ですが、かぼちゃ(南瓜:なんきん)は英語で「パンプキン」。
英語でも「ん」が2つ含まれていますね(笑)。
そういえば、はんぺんも「ん」が2つだと、かまぼこ屋さんが冬至の日をはんぺんの日に決めたとか。
その他、「ん」が入る食べ物としては、みかん、大根(だいこん)といった「ん」が含まれた食材も良いとされています。
冬至の七種は1月7日の七草や土用の丑の日のうなぎ同様、縁起かつぎではありますが、現代から見ても栄養学的に理にかなっています。
かぼちゃ、にんじん、れんこんなどの根菜や銀杏は、普段の食生活に取り入れているものです。
冬至に食べて運気アップになるというのなら、是非、取り入れてみたいところです。
冬至の語呂合わせの風習では、「冬至=湯治」と「柚子=融通」をかけて「ゆず湯」に入るというのが有名です。
これも、一陽来復という特別な日に体を清める「みそぎ」という意味があります。
◇ 冬至のゆず湯について詳しくはこちら。
・冬至にゆず湯に入るのはなぜか柚子風呂のやり方と効能エコ的な作り方
冬至に「こんにゃく」を食べるところも
冬至に「こんにゃく」を食べる地域もあります。
主に北関東に多いと言われますが、こんにゃくにも「ん」が入っていますね。
昔のお坊さんが、冬至の日に1年間の煩悩を落とすことを、こんにゃくによる体内の砂(老廃物)を出す効果にかけて食べたことに由来しています。
これを「砂おろし」と言って、こんにゃくを食べると体内にたまった砂(老廃物)を出すということで、冬至の日に習慣的に食べられてきたようです。
北関東のひとつ、群馬県はこんにゃくの生産量が日本一。
近隣県にとっては、冬至=こんにゃくが根付きやすかったという背景もあるかもしれませんね。
冬至に食べるかぼちゃのいとこ煮とは?
我が家の冬至のかぼちゃレシピは毎年「かぼちゃのいとこ煮」です。
かぼちゃのいとこ煮は「あずきかぼちゃ」とも呼ばれています。
いとこ煮は小豆とかぼちゃの煮物ですが、この小豆とかぼちゃの組み合わせにも意味があります。
小豆を食べる理由とは?
中国では昔から赤い色は厄除けや魔除けの色とされていました。
それが日本にも伝わり、赤い色をした小豆を食べると邪気を祓うと言われてます。
冬至にかぼちゃと小豆のいとこ煮を食べることは、邪気を祓う小豆と、陽の気を補なうかぼちゃを合わせて、運を呼び込もうという意味があるのです。
ちなみに、中国には冬至に小豆粥を食べるという習慣があります。
それが日本に伝わり、
「冬至の朝に小豆粥を食べると1年病気もせずに元気に過ごせる」
という言い伝えが今でも残っている地域があります。
かぼちゃのいとこ煮とは?
冬至の日に小豆粥を食べる地域もあれば、かぼちゃと小豆を一緒に煮た「いとこ煮」を食べる地域もあります。
うちは東京ですが、実家も周りも冬至はかぼちゃのいとこ煮が定番。
地域だけではなく、家庭によっても冬至に食べるものは違っているようです。
■ いとこ煮の名前の由来
かぼちゃのいとこ煮の作り方はとても簡単。
材料のかぼちゃと小豆とでは柔らかくなる時間に差があります。
なので、先に小豆が柔らかくなるまで煮てからかぼちゃを入れる、という順番に気をつけるだけで、難しい工程はありません。
このように、
『材料を煮えにくいものから「追々(おいおい)」入れていく』
ということから、
「甥甥(おいおい)」との語呂合わせで、「いとこ煮」という名前になったといいます。
日本人は語呂合わせが好きですね^^
かぼちゃのいとこ煮の超カンタンな作り方
かぼちゃのいとこ煮は、材料を順番に入れて、好みの汁気になるまで煮ていくだけなので、誰でもカンタンに作れます。
スーパーなどで「ゆであずき」を買えば、もっと簡単にかぼちゃのいとこ煮が作れます。
ゆであずきはレトルトや缶詰で販売されていますね。
砂糖入りのものと無糖がありますが、お好みのもので大丈夫。
味付けは醤油や砂糖を加えるだけなので、そこで調整できます。
こちらは北海道産小豆を使用した甘さ控えめのゆであずきです
橋本フーズ ゆであずきスタンドパック 180g×3Pセット ポスト投函便
レトルトパウチなので超便利、場所も取らない上、好みの甘さに調整できるので我が家の常備品です。
■ ゆであずきで作るかぼちゃのいとこ煮
1. 鍋にかぼちゃ、水を入れて、かぼちゃがやわらかくなるまで煮ていきます。
水はかぼちゃが浸る程度。
2. やわらかくなったらゆであずきを加えます。
調味する場合は、ここで。
砂糖入りの小豆の場合は、醤油を少し足すと味がひきしまります。
3. 落し蓋で10分、弱火で煮ます。
4. 火を止め、味をふくませたら出来上がりです。
なべからかぼちゃを茹でるのが面倒なときは、レンジを使うのもおすすめです。
1. 鍋にレンジで蒸したかぼちゃを入れ、浸る程度の水を加えます。
2. 缶詰やレトルトのゆであずき入れます。
3. 軽く混ぜ合わせ、弱火でひと煮立ち。
4. 砂糖や醤油で味加減をしたら、落とし蓋に弱火で10分。
5. 火を止め、味をふくませたら出来上がり。
POINT!
火からおろした直後は、水分が多い状態になっています。
放置しておくと余熱でかぼちゃに煮汁がしみこんで、とろりとしたあん状の煮汁に仕上がります。
れんこんと小豆のいとこ煮もあります。
作り方の工程は変わりません。
もっちりしたれんこんと小豆の組み合わせもおいしいですよ。
かぼちゃを冬至に食べる理由は「ん」がつく食べ物といとこ煮に関連? まとめ
かぼちゃを冬至に食べるのには諸説あります。
いずれにしても、一陽来復の日である冬至に、生かされていることに感謝し無病息災を願い、気を取り入れることで、ますますの運気を期待したことに由来します。
冬至に「ん」がつく食べ物を食べると運気がアップする運盛りという縁起担ぎがあります。
特にお勧めが冬至の七種。
- 南瓜(なんきん)=かぼちゃ
- 蓮根(れんこん)
- 人参(にんじん)
- 銀杏(ぎんなん)
- 金柑(きんかん)
- 寒天(かんてん)
- 饂飩(うんどん)=うどん
かぼちゃと小豆の組み合わせのいとこ煮は、縁起の良いかぼちゃと、邪気を祓う意味の小豆を組み合わせた冬至に最適な食材のひとつ。
かぼちゃのいとこ煮は、ゆであずきがあれば誰でもカンタンに作れます。
今年の冬至、運気アップを願って、かぼちゃのいとこ煮を食べてみませんか?
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