こどもの日に菖蒲湯に入るのはなぜ?
どうして端午の節句に菖蒲なの?
どんな由来?
菖蒲湯の効果や効能は?
その疑問、解消します!
5月5日と菖蒲の関わり、
菖蒲湯にこめられた願い、
菖蒲湯に入ることの意味、
期待できる薬効も含めて、
わかりやすくお伝えします。
こどもの日に菖蒲湯に入るのはなぜ?
5月5日はこどもの日、国民の祝日ですね。
こどもの日は男の子の節句とされている端午の節句(たんごのせっく)でもあり、ゴールデンウイークの終盤です。
端午の節句には菖蒲湯(しょうぶゆ)に入り、柏餅やちまきを食べる習わしがあります。
菖蒲湯も、柏餅やちまきも、子どもの健やかな成長を願って続いてきた風習です。
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わたしの中では、端午の節句といえば菖蒲湯。
小さい頃のこどもの日の一番の楽しみといえば、親に連れて行ってもらう銭湯の菖蒲湯でした。
菖蒲湯というのは、その名の通り、浴槽に菖蒲の葉や根を入れて入浴することです。
子供の頃は、普段、銭湯に行くことなどあまりなかったので、菖蒲湯に入るのはもちろん、お風呂上がりに飲むコーヒー牛乳も楽しみで、朝から大はしゃぎでした。
菖蒲が入った広い湯船は、自宅のお風呂よりお湯が熱いのですが、年に一度の菖蒲が珍しいせいもあって、顔が真っ赤になるまでお湯につかっていました。
今、わたしが住んでいる東京では、5月5日は銭湯イベントとして毎年菖蒲湯が行われているので、都合がつけば必ず銭湯に出かけています。
菖蒲の香りに包まれて、緑色の湯船で思いっきり身体を伸ばすと、ものすごく気持ちがいいんですよね。
清々しい香りの菖蒲湯は毎日でも入りたいほどリラックスするんですが、なぜ、こどもの日には菖蒲湯なのでしょう。
こどもの日に菖蒲湯に入る理由
地方によっては、5月5日の端午の節句を、「菖蒲の節句(しょうぶのせっく)」と呼ぶところもあります。
実はもともと端午の節句というのは、菖蒲が主役の厄払い行事でした。
端午の節句の5月5日は、旧暦の頃は季節の変わり目でもあり、熱くなったり寒くなったりと何かと不安定な気候です。
体調を崩しやすいこの時期に、厄除け効果がある菖蒲湯に入って、無病息災を願ったのが始まりだと言われています。
古くから、香り豊かで風情のある菖蒲は厄除け効果があるとされ、人々は厄を祓うため、菖蒲を軒に挿したり吊るしたり、菖蒲で酒を作って飲んだり、お風呂に入れてお清めをするなどしてきたのです。
菖蒲湯は体をいたわるだけでなく、厄除けの効果があるということで、大切なこどもの成長を祈るための行事に欠かせないものとなったんですね。
邪気については、『蛇婿入り(へびむこいり)』という昔話のなかには、こんなくだりがあります。
「人間の男性に化けた蛇が、娘のもとに通って子を成した。菖蒲湯に入って蛇の子を堕ろすことで、娘は連れていかれずに済んだ」
といった菖蒲湯にまつわる逸話です。
菖蒲湯がこどもの日の定番になった由来とは?
菖蒲の葉や根を入れた菖蒲湯は中国から伝わったものです。
こどもの日に菖蒲湯に入る由来は、端午の節句の歴史と深い関係があります。
◇ 端午の節句の歴史について詳しくはこちら
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端午の節句は、ルーツをたどると古代中国発祥の厄祓い行事です。
端午の『端』は「初めの」という意味で、「端午」は月の初めの午(うま)の日を指します。
節句とは季節の区切り目、節目の日のことです。
端午の節句は、古代中国において、月の初めの厄払い行事として生まれました。
旧暦の5月は、雨期を迎える時期。
5月5日の端午の節句の日は春から夏への季節の変わり目にあたり、体調を崩しやすい時期だったのです。
古くから薬草として菖蒲を用いていた中国では、菖蒲湯は漢方治療のひとつでした。
また、菖蒲は邪気を祓う植物とも考えられていました。
そのため端午の節句には、菖蒲湯・菖蒲酒など、菖蒲を用いる習わしが多かったようです。
中国の6世紀の年中行事を記した書物の『荊楚(けいそ)歳時記(さいじき)』にも、古くから中国の人々が長寿や健康を願って菖蒲を用いていた、と記されています。
端午の節句が中国から伝わったのは平安時代。
端午の節句に菖蒲を使用する風習が日本に伝わり、平安時代には、宮中行事として端午の節会が行われます。
端午の節会では、香りの強い菖蒲を身に付けたり、菖蒲を丸く固めたものを飾ったりしました。
平安時代に端午の節句が中国から伝わるそれ以前から、日本にも田植え前に菖蒲や葉や蓬(よもぎ)を軒に吊るすなどして、厄除けをする風習がありました。
香りの強い菖蒲や蓬は厄災を祓ったり、浄化する作用があり、厄払いの効果があると考えられていたのです。
中国でも日本でも、菖蒲は厄除けになると考えられていたわけですね。
そうして、鎌倉時代から江戸時代になる頃には、端午の節句は男の子の行事として広まっていきます。
当時は武家社会だったため、『菖蒲(しょうぶ)』が「尚武」や「勝負」に通じることから、
と、端午の節句は菖蒲がシンボルの恒例行事となります。
端午の節句は、「尚武」や「勝負」などの言葉をかけた菖蒲に、男の子がたくましく成長することを願ったのです。
菖蒲湯の効果や効能は?
菖蒲湯はリラックス作用や血行促進が期待できる他、肩こりや腰痛予防にも効果があると言われます。
- 肩こり
- 神経痛
- リュウマチ
- 血行促進
- 腰痛緩和
- 冷え性
- 筋肉痛
- 保湿効果
- リラックス効果
- 消毒効果
菖蒲にはアザロンやオイゲノールという精油成分が多く含まれています。
この精油成分の独特な香りが、邪気を祓うと信じられていたようで、神経痛などを緩和する効果があると言われています。
独特な香りのアロマテラピーで心身のリラックス効果も期待できますね。
アザロンやオイゲノールは、葉よりも根茎部分の方に多く含まれています。
漢方では、この根茎部分を天日干ししたものを『菖蒲根』といい、鎮痛・血行促進の働きがあるとしています。
こちらは国産の匂い菖蒲で、元にやわらかな香りがあります。
菖蒲湯には葉を株元で切り取って、5~6本を1束にして浴槽に浮かべるのがおすすめです。
菖蒲の株は土質を選ばないので、葉を切り取った後も半乾半湿地に植え付けておくと、翌年には株が増えて立派に生育するので、簡単に栽培できます。
◇菖蒲湯の作り方はこちらをご参考に。
・菖蒲湯の作り方!葉菖蒲のお風呂効果が期待できる3つの方法と入り方
菖蒲の成分が入った入浴剤もあります。
こちらは、菖蒲の根もとのエキスが入っていて、手軽に菖蒲湯気分が味わえる薬用入浴剤です。
菖蒲の葉を頭に巻くと?
わたしは大人になってから初めて知ったんですが、昔から菖蒲の葉を頭に巻くと賢くなるという言い伝えがあります。
真っ先に浮かんだのは、酔ったサラリーマンが頭に巻くネクタイ(笑)。
周りに聞いてみたところ、こどもの日に親や祖父母に菖蒲の葉を頭に巻かれたという男性が結構多くいました。
親と一緒に入浴する菖蒲湯で巻かれていたケースもあれば、朝からハチマキのように巻かれていたというケースもありました。
風景を思い浮かべると、親の願いも相まって、なんだか可愛いですよね。
頭には巻かなかったけれど、菖蒲を枕の下に入れたという話もありました。
菖蒲には頭が良くなるという効果もあるかもです^^
端午の節句こどもの日に菖蒲湯に入るのはなぜ?由来と菖蒲の効果効能 まとめ
菖蒲湯は、浴槽に菖蒲の葉や根を入れて入浴することです。
もともとの端午の節句は厄除けの行事で、地方によっては、5月5日の端午の節句を、『菖蒲の節句』と呼ぶところもあります。
端午の節句は中国から伝わった行事ですが、それ以前から日本では菖蒲を厄除けに使っていました。
菖蒲湯は体をいたわるだけでなく、厄除けの効果があるので、大切な子どもの成長を祈るための行事に欠かせないものです。
菖蒲湯はリラックス作用や血行促進が期待できる他、肩こりや腰痛予防にも効果があると言われます。
今年のこどもの日は、家族で菖蒲湯を楽しむのもいいですね。
◇ 菖蒲の購入についてはこちらをどうぞ。
・ 菖蒲湯の菖蒲はどこで買うの?確実に購入するコツと葉菖蒲の保存方法
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