初秋と仲秋と晩秋の違いとは?
それぞれの時期はいつからいつまで?
使える時候の挨拶はどんなものがある?
その疑問、解消します!
実際の暦の上での感覚、
二十四節気による具体的な期間、
時候の挨拶の使い分け方など、
例文も含めて、わかりやすくお伝えします。
初秋とは?
朝晩の風に、ほんの少し秋の気配を感じるようになってきました。
なんとなくセンチメンタルな気持ちになってしまうのは、季節が変わる感覚を肌が感じるからかもです。
立秋(8月8日頃)を過ぎると、暦の上では秋になります。
夏のご挨拶の「暑中見舞い」も、立秋を過ぎたら「残暑見舞い」に変わります。
暑い日が続いていても、空が少しずつ高く感じられるようになり、流れるような秋の雲が見えることがあります。
季節に敏感な日本人は、昔から秋の季節を、
と分けてきました。
初秋は「しょしゅう」と読みます。
初秋の時期はいつ?
初秋は旧暦(陰暦)の7月で、今(新暦)の8月にあたります。
もう少し詳しくいうと、初秋は「立秋(8月7日頃)」から「白露(9月7日頃)」の前日までの期間をいいます。
立秋と白露は「二十四節気(にじゅうしせっき)」と呼ばれる季節の変わり目を表す区分法のひとつです。
二十四節気とは?
二十四節気というのは、1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたものです。
【春】
立春(りっしゅん):2月4日頃
雨水(うすい):2月18日頃
啓蟄(けいちつ):3月5日頃
春分(しゅんぶん):3月20日頃
清明(せいめい):4月4日頃
穀雨(こくう):4月20日頃
【夏】
立夏(りっか):5月5日頃
小満(しょうまん):5月21日頃
芒種(ぼうしゅ):6月5日頃
夏至(げし):6月21日頃
小暑(しょうしょ):7月7日頃
大暑(たいしょ):7月22日頃
【秋】
立秋(りっしゅう):8月7日頃
処暑(しょしょ):8月23日頃
白露(はくろ):9月7日頃
秋分(しゅうぶん):9月23日頃
寒露(かんろ):10月8日頃
霜降(そうこう):10月23日頃
【冬】
立冬(りっとう):11月7日頃
小雪(しょうせつ):11月22日頃
大雪(たいせつ):12月7日頃
冬至(とうじ):12月22日頃
小寒(しょうかん):1月5日頃
大寒(だいかん):1月20日頃
二十四節気は、地球と太陽の位置関係で割り当てられています。
地球から見た太陽の見かけ上の通り道を「黄道」といい、1年間で地球の周りを一周すると考えます。
黄道360度を24分割した15度間隔で、それぞれ特定の二十四節気が定められているのです。
そして、定めた点を太陽が通る日が、二十四節気のそれぞれの日にちになります。
二十四節気は、今でも農作業などで使われています。
毎年、二十四節気の春分の日と秋分の日は国民の祝日になっていますね。
初秋に適した時候の挨拶は?
時候の挨拶は、相手の健康を気遣う意味もあるので、手紙や挨拶状には欠かせない文章です。
時候の挨拶は、二十四節気毎に使い分けるのが一般的です。
手紙や挨拶状の冒頭で、
「拝啓 初秋の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます」
とある中の「初秋の候」が時候の挨拶です。
これは「しょしゅうのこう」と読みます。
初秋の期間である立秋(8月7日頃)から白露(9月7日頃)の前日までの期間は、まだ残暑が厳しい時期でもあります。
夏の暑さがまだ残っている頃なので、この時期には、「残暑の候」「晩夏の候」など、暑さを表す言葉が使われます。
二十四節気の立秋(8月7日頃)から処暑(8月23日頃)は以下のような時候の挨拶が使われます。
- 残暑の候
- 秋暑の候
- 晩夏の候
- 立秋の候
- 残夏の候
- 初秋の候
- 残暑厳しきおり
- まだ暑い日が続きますが
- 秋まだ遠く、厳しい残暑が続いています
処暑(8月23日頃)から白露(9月7日頃)までは、涼しさを表す言葉も使われるようになります。
- 処暑の候
- 初秋の候
- 新秋の候
- 清涼の候
- 新涼の候
- 爽秋の候
- 秋涼の候
- 涼風の候
- 新秋快適のみぎり
- 朝夕日毎に涼しくなり
- 朝の空気に爽秋の気配が感じられる頃となりました
- 朝夕はめっきりしのぎやすくなりました
仲秋(中秋)とは?
仲秋は「ちゅうしゅう」と読みます。
十五夜のお月さまを「中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)」とも言いますね。
◇ 中秋の名月はこちらをご参考に。
・十五夜2023年のお月見はいつ?中秋の名月は満月とは限らない?
・十五夜にお月見をする意味と由来!なぜ中秋の名月や芋の名月と呼ぶ?
仲秋(中秋)の時期はいつ?
仲秋は旧暦(陰暦)の8月で、今(新暦)の9月にあたります。
もう少し詳しくいうと、仲秋は、二十四節気の「白露(9月7日頃)」から「寒露(10月8日頃)」の前日までの期間をいいます。
仲秋に適した時候の挨拶は?
仲秋は、秋らしい気候を感じられる時期です。
- 秋色の候
- 新涼の候
- 秋涼の候
- 野分の候
- 仲秋の候
- 爽秋の候
- 涼風の候
- 秋晴の候
- 孟秋の候
- 白露の候(9月7日頃~9月23日頃)
- 秋分の候(9月23日頃~10月8日頃)
- 天高く馬肥ゆるの候
- 秋の夜長の頃となりました
- 秋桜が風に揺れ、朝夕はしのぎやすくなってまいりました
仲秋の名月にあたる「仲秋の候」は、旧暦の8月15日だけを指した言葉です。
晩秋とは?
晩秋は「ばんしゅう」と読みます。
晩秋は暦の上でも秋がぐっと深まって、冬もすぐそこまで、といった頃合いです。
秋も終わり、といった感じです。
晩秋の時期はいつ?
晩秋は旧暦(陰暦)の9月で、今(新暦)の10月にあたります。
もう少し詳しくいうと、晩秋は二十四節気の「寒露(10月8日頃)」から「立冬(11月7日頃)」の前日までの期間をいいます。
晩秋に適した時候の挨拶は?
- 晩秋の候
- 紅葉の候
- 秋容の候
- 秋冷の候
- 秋晴の候
- 秋雨の候
- 爽秋の候
- 錦秋の候
- 清秋の候
- 菊花の候
- 寒露の候
- 夜長の候
- 秋天の候
- 野分の候
- 秋色の候
- 菊薫る候
- 寒露の候(10月8日頃~10月23日頃)
- 霜降(そうこう)の候(10月23日頃~11月7日頃)
- 菊の花が香る季節となりました
- いよいよ秋も深まって参りました
- 紅葉が楽しめる季節となりました
初秋と仲秋と晩秋の違いとは?時期によって違う秋の時候の挨拶! まとめ
『初秋』は、「立秋(8月7日頃)」から「白露(9月7日頃)」の前日までの期間をいいます。
『仲秋』は、「白露(9月7日頃)」から「寒露(10月8日頃)」の前日までの期間をいいます。
『晩秋』は、二十四節気節気の「寒露(10月8日頃)」から「立冬(11月7日頃)」の前日までの期間をいいます。
時候の挨拶は、二十四節気毎に使い分けるのが一般的です。
残暑の頃から、だんだんと秋が深まるにつれて、初秋、仲秋、晩秋と呼び名が変わっていきます。
日本人の季節を感じる感覚というものは、本当に細やかで繊細ですね。
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