秋桜と書いてコスモスと読むのはなぜ?
いつからそうなったの?
そもそもコスモスとはどんな花?
その疑問、解消します!
コスモスの和名が秋桜の理由、
秋桜(あきざくら)からコスモスに定着した背景、
代表的な秋の花のコスモスの由来も含めて、
わかりやすくお伝えします。
秋桜をコスモスと読むのはなぜ?
秋の桜と書いてコスモス。
字が表すようにコスモスは、わたしたちに秋の風情を運んでくれる日本人好みの花です。
コスモスの可憐ではかなげで桜に似た花姿が風にそよぐ姿は本当に美しいもの。
ですが、意外なことにコスモスの原産ってメキシコなんですよね^^;
コスモスという花は、もともとは外来種で日本に持ち込まれて普及した品種なのです。
コスモスの和名は「秋桜」で、「あきざくら」と読みます。
「大春車菊(オオハルシャギク)」という別名もありますが、これは、日本に多いコスモスの種類でもあります。
「秋桜(あきざくら)」という名前は、コスモスが秋に咲いて、花の形が桜に似ていることにちなみます。
今では「コスモス(秋桜)」として広く知られるようになりましたが、和名の秋桜(あきざくら)がコスモスと読まれるようになったのには、昭和にヒットした歌謡曲が影響しています。
秋桜をコスモスにした曲とは?
漢字の「秋桜」を「コスモス」にしたヒット曲があります。
その曲は、1977年(昭和52年)に 歌手の山口百恵さんが歌い、たちまちヒットソングになった『秋桜(コスモス)』。
当時の山口百恵さんは18歳。
「秋桜(コスモス)」は嫁ぐ娘が母を思う気持ちを歌った歌です。
山口百恵さんの『秋桜』は、さだまさしさんが作詞作曲し、曲のタイトル『秋桜』を「コスモス」と読ませ、歌詞の中でも「秋桜」と表記して「コスモス」と読ませました。
この曲によって、秋桜が広くコスモスとして読まれるようになったのです。
秋桜をコスモスと読むのは当て字の一種です。
当て字というのは、日本語を漢字で書く場合に、漢字の音や訓を、その字の意味に関係なく当てる漢字の使い方をすること。
よく歌詞の中では、漢字で表現したものを別の発音にすることがあります。
故郷と書いて「クニ」と発音したり、「本気」と書いて「マジ」と発音するものなど、「秋桜」と表記して「コスモス」とするのも、これらと一緒ですね。
今はスマホやパソコンで「コスモス」と打ち込むと「秋桜」が出てきます。
歌の世界観が花の読み方にまで影響を及ぼすなんて、音楽のチカラはすごいものがありますね。
『秋桜』は歌の世界観と、コスモスの持つ優しさの中にも強さが感じられるイメージがぴったりはまっている楽曲。
今なお歌い継がれ、多くのアーティストにカバーされている名曲です。
ちなみに、『秋桜』というタイトルになる前は、歌詞の中にある「小春日和」がタイトルだったとか。
歌手のプロデュースを手がけていた酒井政利さんが提案した『秋桜』で決定されたというエピソードが残っています。
小春日和というのは、秋から冬にかけての陽光の柔らかな晴れた日のことです。
◇ 小春日和について詳しくはこちら。
・小春日和の意味と使い方を教えて!どの時期に使う?季語はいつ?
穏やかな秋の日に風に揺れるコスモスの情景が、桜を愛する日本人の情感にマッチしたのかもしれませんね。
コスモスってどんな花?
コスモスの原産地はメキシコで、アメリカの熱帯地域やスペインなど様々な地域で咲いています。
メキシコにはコスモスの野生種が20種以上あるといわれています。
日本には明治のはじめ頃に入ってきました。
栽培が簡単で、丈夫で手間がかからないので、明治の末には全国的に広まったようです。
メキシコは、国土は日本の5倍という広大な土地にあって、基本的に四季はないところ。
あるのは雨季と乾季だけで、1日の気温差が激しく、まるで24時間のなかに四季があるような国です。
そんなメキシコでコスモスは1年を通じて咲いています。
可憐な見た目と違って、いかにタフな花かわかりますね。
原産地はメキシコなので、栄養分が少ない乾燥した土地を好みます。
つまり、コスモスは水やりや肥料を与える必要がないので、ホントに楽ちん、園芸初心者にもおすすめです。
野生種は草丈が2~3mになりますが、園芸品種は低いもので40cm、高いもので1.5mほどです。
日本には世界一大きなコスモスとしてギネスブックにも掲載されているコスモスがあります。
なんと、その高さは3m48cm、花の直径は12cm。
そのギネス記録を超える高さ4m42cmのコスモスも日本にあるとか。
コスモスの原産地はやせた土壌のメキシコなので、日本の豊かな土壌で育てると、巨大コスモスになることもあるようです。
コスモスの葉はとても細いですが、台風などで倒されても茎の途中から根を出し、また立ち上がって花をつけると言われるほど強靭な草花です。
ほんとに、可憐な見た目とは裏腹な強さをもった花ですね。
コスモスとは?
葉を見るとわかりやすいんですが、コスモスはキク科の植物です。
コスモスは、キク科・コスモス属に分類される一年草であり、その総称です。
コスモス属には主にコスモス(オオハルシュンギク)・ チョコレートコスモス・キバナコスモスの3種類があります。
日本で一般的にイメージされるコスモスは、オオハルシュンギクがほとんどです。
コスモスの品種は何十種もあり、オレンジ色やまだら模様、八重咲きや丁字咲きなど、多種多様な色と容姿をしたものがあります。
コスモスは夏から秋に花を咲かせ、標高2,000m近い乾燥した地域でも育ち、草丈が2~3mになります。
もともと草丈が高い植物なので、日本の道端に生えているものでも1.5mほどに成長します。
花色は、ピンク、白、赤が一般的ですが、品種改良によって黄色や赤茶色などが生まれています。
学名 : Cosmos bipinnatus
科・属名 : キク科・コスモス属
英名 : Cosmos
原産地 : メキシコ
開花期 : 6~11月
花の色 : 白、ピンク、赤、黄、赤茶、紫
別名 : 秋桜(アキザクラ)・春車菊(オオハルシュンギク)
コスモスの花の名前の由来は?
メキシコ原産のコスモスですが、”コスモス(cosmos)” の語源は、ギリシャ語の「秩序」「飾り」「美しい」という意味の「Kosmos, Cosmos」の言葉に由来します。
また、宇宙をあらわす「コスモス」と語源は同じです。
コスモスは、メキシコからスペインに渡り、マドリード王立植物園に送られ、「コスモス」と名づけられたと言われています。
星がきれいにそろう宇宙のことを「cosmos」と呼び、また、花びらが整然と並ぶこの花も「cosmos」と呼ぶようになりました。
「Kosmos, Cosmos」にはいくつかの意味がありますが、花の美しさから『美しい飾り』という意味に解釈されています。
秋桜をコスモスと読むのはなぜ?どんな花か由来や花言葉も教えて! まとめ
和名の秋桜(あきざくら)をコスモスと読んだり書いたりすることが一般化した理由は、さだまさしさんが作詞作曲をして、山口百恵さんが歌ったヒットソング『秋桜』にあります。
コスモスの原産地はメキシコで、アメリカの熱帯地域やスペインなど様々な地域で咲いています。
可憐な見た目とは裏腹に、コスモスは乾燥した土地でも育つタフな性質を持っています。
コスモスの花の名前は、ギリシャ語の「秩序」「飾り」「美しい」という意味の「Kosmos, Cosmos」の言葉に由来します。
秋の花といえば、真っ先に浮かぶコスモスですが、メキシコ原産の花が、日本で秋の桜という漢字をあてられているのはおもしろいですね。
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