クリスマスが12月25日なのはなぜ?キリストの誕生日を祝う理由とは?

クリスマスが12月25日なのはなぜ?キリストの誕生日を祝う理由とは?

クリスマスが12月25日なのはなぜ?

どうしてイエス・キリストの誕生日をお祝いするの?

由来は?

その疑問、解消します!

クリスマスと冬至の関係、

キリストの生誕と異教の結びつき、

ローマ教会の意図、

クリスマスの語源も含めて、

わかりやすくお伝えします。

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イエス・キリストの誕生日はいつ?

わたしは幼稚園がカトリックだったので、

子どもの頃、

クリスマスはなんの日?」

と話題になったりすると

「イエスさまの誕生日だよ!」

と張り切って答えていました。

その幼稚園ではクリスマスになると盛大にクリスマス会が催されていました。

保護者たちも楽しみにしている年に一度のクリスマス会のために、

園児たちは、イエス・キリストの生誕を祝う劇やお遊戯を一生懸命に練習するのです。

幼稚園で行う12月のお誕生会には、イエス・キリストも含まれていたので、子ども心に、

「12月のお誕生日はいいなー」

と羨ましく思ったり。

そんな思い出があったので、

高校生のとき、クリスチャンの友人から、

イエス・キリストの誕生日って、ホントは12月25日じゃないの知ってる?

と聞かれ、びっくりした記憶があります。

確かに、聖書の中でイエス・キリストの誕生にまつわることと言えば、

『ユダヤの町ベツレヘムで、処女マリアのもとに生まれた』

として、以下の記述があるくらいです。

「男子の初子を産んだ。それで、布にくるんで、飼葉おけに寝かせた。宿屋には彼らのいる場所がなかったからである。」(ルカ2:7)

聖書の中には、イエス・キリストが何月何日に生まれた、といった明確な記述はないんですよね。

生まれたのが春だったのか秋だったのか

暑い時期だったのか寒い時期だったのか

そういったことも聖書から読み解くことはできませんでした。

実際、聖書以外でも、イエス・キリストの誕生日は記録として残されていないのです。

クリスマスはなかった?

キリスト教が広まり始めた頃は、一般の教徒も教会もイエス・キリストの誕生日にはそれほど関心がなく、祝う必要も感じていなかったといいます。

イエス・キリストの誕生日よりも、

十字架にかけられて亡くなったイエス・キリストが3日目に復活したことを記念・記憶する『復活祭』のほうが重要で、

復活祭は今も昔もキリスト教において最も重要なイベントです。

歴史的に見ても、クリスマスについては

「イエス・キリストの誕生日は12月25日」

という事実の元にお祝いしているわけじゃないんですね。

では、どうして、クリスマスがイエス・キリストの誕生(降誕)を祝う日として、世界中で認識されているのでしょうか。

クリスマスが12月25日なのはなぜ?

イエス・キリストの誕生(降誕)を祝うクリスマスが12月25日なのは、後から仕立て上げたというのが史実です。

もともと、イエス・キリストの誕生日が12月25日とされたのは2~4世紀と考えられています。

現在のようにイエス・キリストの誕生が12月25日に定められたのは、4世紀半ばの、コンスタンティヌス帝統治下のローマでのことだったとされています。

ローマで12月25日がイエス・キリストの誕生日とされたのには諸説ありますが、

キリスト教をローマに布教するために、それまでのローマのお祭りの日に合わせたというのが広く知られています。

当時のローマでは、太陽神を崇拝するミトラス教(ミトラ教)という宗教が絶大な人気を誇っていました。

ミトラス教では、ほぼ冬至にあたる12月25日を太陽神を祭る重要な祝祭日としていました。

というのも、冬至というのは、一年のうちで昼の時間が一番短くなる日。

冬至の日から、日増しに日が長くなっていくことから、この日に新しい太陽の誕生を祝うという意味がこめられていたのです。

◇ 冬至について詳しくはこちらをご参考に。

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北半球で一番昼が短くなるのが冬至ですが、

冬にかけて次第に短くなってきた昼が、この日を境にまた長くなっていきます。

つまり、

古代ローマの12月25日は、勢いの弱まってきた太陽が冬至に再び力を取り戻し、「光」が蘇るということを祝っていたのです。

西暦273年、時のローマ皇帝アウレリアヌスは、12月25日を太陽神の誕生日と定めました。

太陽といえば連想するのが「」です。

当時、イエス・キリストは教徒から『正義の太陽』『世の光』と呼ばれていたことから、

336年、ローマ教会はこの祭日を利用してイエス・キリストの誕生を祝う日と定めました

聖書では、「」をイエス・キリストとして描く記述が多く見受けられます。

たとえば、以下のような記述があります。

「この言(キリスト)に命があった。そしてこの命は人の光であった。光(キリストは)は闇の中に輝いている。

そして、闇はこれに勝たなかった。」(ヨハネ福音書1:4-5)

ローマ教会は、こういった光のイメージを利用し、より広くキリスト教を布教させるため、12月25日をイエス・キリストの誕生を祝う日として定めたというわけです。

ローマ教会、ひいてはローマ帝国がキリスト教勢力を取り込むために、まったく別の宗教を融合させたともいえますね。

それにしても、冬至と結びつけるというのは、素晴らしいアイデアだと思います。

一年で最も夜が長いこの季節を過ぎると、少しずつ日が長くなります。

それは、

闇に満ちた人々の世界に、救い主がお生まれになり、光をもたらしてくださった

という聖書の話にもつながり、

イエス・キリストの誕生を喜び、祝う日としては最高です。

イエス・キリストが天から訪れる「光」として、聖書の一節にはこのような記述があります。

「これはわれらの神の憐れみの心による。この憐れみによって、高い所からあけぼのの光が我らを訪れ、暗闇と死の陰に座している者たちを照らし、我らの歩みを平和の道に導く。」(ルカ1:78-79)

クリスマスの語源は?

クリスマスのイルミネーションや大きなツリーが各所に飾られ、街も賑わいを見せていますが、

案外、クリスマスの語源って知られていなかったりします。

クリスマスの語源はラテン語の「クリストゥス・ミサ」で、

イエス・キリスト降誕(こうたん)の祭礼』を指します。

降誕というのは、聖人・偉人・帝王などがこの世に生まれること。

クリスマスの英語は「Christmas」ですが、

Christ =「キリスト」

mas=「礼拝」

を意味します。

「Christ」はギリシャ語の頭文字「 X(カイ)」で表せるので、

「Christmas」 を 「Xmas」 とも表記するようになりました。

「Xmas」は、

「X(ギリシャ語で「Xristos」の頭文字)」+「mas(礼拝)」

「Xristos(クリストス)」は『油を注がれた者』という意味で、

「救世主」・「キリスト」を意味します。

クリスマスは「Christmas」、「Xmas」と表記します。

よく、「X’mas」とアポストロフィを入れているのを見かけますが、これは間違い。

正しくは、

「Xmas」もしくは「X-mas」と書きます。

クリスマスが12月25日なのはなぜ?キリストの誕生日を祝う理由とは? まとめ

クリスマスは、イエス・キリストの誕生を祝う日です。

12月25日にこれを祝うと定めたのは4世紀のことですが、

実際にイエス・キリストが生まれた日は聖書にも記述はなく、定かでありません。

古代ローマでは一年で一番昼が短くなる冬至の日に、太陽神を祀ってお祝いをしていました。

太陽といえば、光。

イエス・キリストは教徒から『正義の太陽』『世の光』と呼ばれていたことから、

ローマ教会が布教のため、太陽神を祀る祭日を利用して、イエス・キリストの誕生を祝う日と定めたのが12月25日のクリスマスです。

太陽神を祀るという行事が、のちに異教のキリストの生誕祭と結びつくなんて、古代のローマの人達が聞いたら、さぞ驚くでしょうね。

4世紀から続くクリスマスは、あくまでも「イエス・キリストの降誕をお祝いする日」。

イエス・キリストの誕生日そのものでなくてもいいわけですね。

◇ イエス・キリストの生誕にまつわるお菓子の話題はこちら
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