スイカの縞模様はなぜあるの?
目立つ模様になった理由は?
皮の縞模様と種にはどんな関係があるの?
その疑問、解消します!
どうしてスイカが縞模様になるのか、
原産地の環境による特性と進化、
人為的なものだと言われる所以も含めて、
わかりやすくお伝えします。
スイカの縞模様はなぜあるの?
子どもの頃は夏休みになると
祖母の家でいとこたちと縁側で食べる
スイカが何よりの楽しみでした。
「スイカは縞模様がくっきりしてるほどおいしいよ」
と祖母から教わりましたが、
最近では、縞模様がなくて
濃い緑色1色のスイカも
見られるようになりました。
とはいっても、
スイカの特徴といえば
やはり、緑地に黒いしましま模様。
一般的なスイカは薄い緑の表面に
黒っぽい(濃い緑)模様が縦に入っています。
考えてみると、スイカのように縞模様が
入った果物って他にありませんよね。
スイカが縞模様になる理由については
諸説あります。
今回は、その中でも有力な
- スイカ自ら縞模様になった
- ヒトが品種改良で縞を作り出した
という2つの説をご紹介します。
スイカに模様がある理由
スイカに縞模様がある理由についての
2つの考え方をそれぞれお伝えしますね。
スイカ自ら縞模様になった説
まずひとつめです。
スイカの皮模様といえば、
緑に黒の縞模様。
特徴的で遠くからでも派手で目立ちますよね。
その派手さは、スイカ自らが狙って
特徴的な模様になったという説です。
スイカの原産地はアフリカの砂漠地帯。
植物が成長するには水分が欠かせませんが
なかなか雨が降らない砂漠地帯では、
どこか新しい環境の良い場所に
種子を分散したほうが、
スイカという種を存続させる可能性が増えます。
そのため、果実を目立たせて、
上空からでも鳥が見つけやすいように、
スイカには縞模様ができたと考えられています。
スイカなどのウリの種子は、
動物に果実を食べられることによって
種子が運ばれます。
これは
「動物散布」
と呼ばれるもので、
動物が種子の周りの果肉を食べるために
種子ごと飲み込んで、
種子をフンとして排出することで
散布されるという仕組みです。
スイカは子孫を残すため
動物に食べられることを前提としています。
なので、
熟れた際にはなるべく目立つように
「自分アピール」
で動物に果実を見つけてもらい、
また、より多く食べてもらえるように
動物には対価(美味しい)を与えます。
スイカは中心部分が最も甘く、
皮に近づくにつれ糖度が下がっていきます。
なのでスイカを切り分ける時は、
すべてのスイカに甘い中心部分が
くるようにカットしますが、
この中心部が甘くなっているのも、
スイカを外側から食べる動物に
中心まで残さずに食べさせて、
より多くの種子を食べさせるため、
と考えられています。
スイカの中心が甘いのは
種の保存のための進化のなせる技というわけです。
そして
スイカの果実は約90パーセントが水分、
残りの約10パーセントが糖分です。
水が不足しがちな砂漠地帯で、
スイカの豊富な水分は
動物にとっても大きな魅力ですよね。
この水分もスイカが動物を呼び寄せるために
発達させてきた特性と考えられています。
砂漠では只でさえ水は貴重なものです。
水分が欲しい動物と
種子を遠くへ運んで欲しいスイカ。
両者の利害が一致して、
スイカに縞模様が出来たという説です。
スイカはどんな動物に食べられてきたのか、
については鳥類がメインとする説と
哺乳類がメインという説があります。
ヒトが品種改良で縞を作り出した説
スイカの本当の原種に縞模様はないので
ヒトが品種改良で縞を作り出したという説です。
前述のように、スイカの原種は
アフリカの砂漠地帯に自生していた植物です。
そもそも原種のスイカには縞模様はなく
色も緑一色で
味も今のような甘いものではなく
苦味がとてもきつくて
美味しさとは程遠いものでした。
ですが、水が貴重な砂漠地帯では
スイカの持つ水分は魅力的だったため
「なんとか美味しく食べられるようにしよう」
と品種改良を重ね、
苦い原種のスイカに甘さだけを残した
スイカを作り上げたと言われています。
原種のスイカの改良を重ねている過程で
黒い縞模様が発生したと考えられています。
スイカの縞模様は改良の結果生まれた
人為的なものだ、という説です。
スイカの縞模様と種との関係
スイカの縞模様の成り立ちには
明確な答えはありませんが、
縞模様がらみで
ひとつハッキリしているのが
『スイカの種は縞模様の下に集中している』
ということです。
スイカをよく見ると、
つるの出ているところ、
つまりおへそのようなところから
縞模様は先のほうへ縦に並んでいて
ところどころで横に少しずつ
はり出しているのがわかります。
理由はわからないのですが、
どういうわけか縞模様の部分に種が並んでいるので、
縞模様の濃い緑の部分を切ると
断面にズラリと種が並び
縞模様のないところに包丁を入れると
断面に種が出てきません。
縞模様はスイカの種のつくところに
できているというわけです。
一見、スイカの種は
不規則に並んでいるように見えますが、
実は縞模様に沿って集中しているのです。
わたしは種が見えるカットが好みなので
縞模様を目安にカットしています。
そのほうが、種を取りやすいからなんですが
スイカは断面に種が出てこないほうが
上品に見えると母が申しておりました。
このあたりはお好みですね^^
◇ スイカの種についてはこちらもご参考に。
・スイカの種を食べると体に悪い?食べたら腹痛や盲腸になるって本当?
スイカはなぜ縞模様があるの?その理由と種との関係もご紹介! まとめ
原種といわれている種類には、
黒い縞を持つスイカは見られません。
スイカが縞模様になる理由については
諸説ありますが、
- スイカ自ら縞模様になった
- ヒトが品種改良で縞を作り出した
という2つの説が有力です。
品種改良を重ねるうち
突然変異で縞模様が濃くなった、
というケースも実際あるようです。
スイカの縞模様の部分には種が
並んでいるので、
包丁を入れる時の目安になります。
暑い夏の日に食べるスイカは
格別なものがあります。
おいしく進化してきたスイカの瑞々しい夏の恵み。
心ゆくまで味わいたいですね。
◇ スイカの話題 こちらもどうぞ。
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