高校野球の春の甲子園と夏の甲子園の違いはどこにあるの?
春の大会が「選抜(センバツ)」と呼ばれる理由は?
その疑問、解消します!
春と夏の甲子園大会の違いを、
選考方法・主催者・試合形式・優勝旗・主題歌など、
様々な視点からわかりやすくお伝えします。
春の甲子園と夏の甲子園の違いは?
普段は野球を見ない人でも、「高校野球は見る」という人は多いのではないでしょうか?
高校野球の「春の甲子園」と「夏の甲子園」。
さまざまなドラマを見せてくれる高校野球の甲子園大会は、春と夏の年2回開催されます。
この「春の甲子園」と「夏の甲子園」の違いを知らない人って結構多いんですよね。
わたしは甲子園出場経験のある高校出身だったので、シーズンになると街をあげての野球部推しといった雰囲気で、
地区予選が始まると、当たり前のように全校応援に駆り出されたりしてました。
なので、自然と春の甲子園と夏の甲子園の違いは刷り込まれていましたが、友人から、
「春と夏の高校野球って、どう違うの?」
と聞かれ、周りの友人達も首をかしげていたので、意外と知られてないんだなぁ、と思った次第です。
友人たちいわく、
「夏は思いっきり盛り上がるけど、春は夏ほどじゃないよね」
確かに夏の方が盛り上がります。
それも春の甲子園と夏の甲子園の違いがわかる高校野球ファンならフツーに理解するところなんだけど、やはり理解されていない・・・
春の甲子園と、夏の甲子園の違いをピックアップすると、以下のようになります。
- 呼び方(通称)と正式名称が違う
- 主催者が違う
- 出場校の選び方が違う
- 試合の組み合わせが違う
- 大会規模が違う
- 主題歌が違う
- 優勝旗の色が違う
ひとつひとつ見ていきましょう。
春と夏の甲子園は呼び方(通称)と正式名称が違う
春の甲子園のことをよく、「春のセンバツ」って言いますよね。
春の甲子園の正式名称は『選抜高等学校野球大会』。
「選抜(センバツ)」とか「選抜高校野球」といった呼び方もされます。
夏の甲子園の正式名称は『全国高等学校野球選手権大会』
通称、「夏の高校野球」・「夏の甲子園」と呼ばれます。
「選手権大会」という言い方もします。
春と夏の甲子園はと主催者が違う
春の甲子園と夏の甲子園は、どちらも日本高等学校野球連盟と新聞社が主催していますが、その新聞社は異なります。
- 春の高校野球(選抜):毎日新聞社
- 夏の高校野球(選手権):朝日新聞社
朝日新聞を読む機会があればご存知かと思いますが、朝日新聞にはスポーツ欄で、夏の各地方大会の結果が掲載されます。
大手の新聞で、地方大会の全試合の結果を伝えているのは朝日新聞だけなのでは。
わたしの知人は、息子たちが甲子園常連強豪高の野球部だったので、子どものために朝日新聞をとっていたと言ってました。
さすが主催者、といったところです。
春と夏の甲子園は出場校の選び方が違う
出場校の選び方、選考方法が違うというのが春と夏の甲子園の最大の違いです。
春の甲子園の出場校の選び方
春の甲子園の正式名称は『選抜高等学校野球大会』。
「選抜」というだけあって、秋の地方大会の実績を元に、選考委員会によって選出されます。
秋の地方大会というのは、夏に3年生が引退した後、2年生中心の新チーム体制になって最初の大会、公式戦でもある「秋季都道府県大会」と、その都道府県大会上位者による「秋季地区大会」を指します。
選考委員会は、秋の地方大会の実績に加えて、地域的なバランスも考慮して、一般枠28校に、21世紀枠、明治神宮大会枠といった特別枠の高校を選出します。
一般枠は、北海道1校、東北2校、関東・東京6校、北信越2校、東海2校、近畿6校、中国・四国5校、 九州4校の計28校。
21世紀枠は2001年の第73回大会から採り入れられたものです。
部員不足などの困難を克服した学校や、他校の模範となる学校、地域に良い影響を与えているなどの理由で、通常3校が選出されます。
明治神宮大会枠は、前年11月の『明治神宮大会』優勝高校の地区から1校選出されます。
なので、すべての県から代表が選ばれるわけではなく、実力があると認められれば、同じ県から複数の代表校が選ばれることは珍しくありません。
夏の甲子園の出場校の選び方
春の甲子園に比べると、夏の選手権大会の方は分かりやすく、各都道府県1代表です。
例外として、校数の多い、東京、北海道のみ2校の代表校となっています。
春と夏の甲子園は試合の組み合わせが違う
春の甲子園は、選考委員会によって選ばれた高校が、トーナメント方式で試合を行ないます。
最初の抽選会で、決勝戦まで全ての組み合わせが決まります。
一方、夏の甲子園は、すべての試合で一回戦ごとに組み合わせ抽選が行われます。
そのため、選手はもちろん、観客も対戦相手がどこになるか予想がつかないため、ハラハラ・ドキドキ。
「運」に左右される抽選もあり、この抽選も夏の甲子園がドラマティックになる要因のひとつです。
春と夏の甲子園は大会規模が違う
春の甲子園と夏の甲子園春とでは参加校数が違うので、大会の規模も違います。
春の高校野球は32校で行われ、11日間(休養日1日含む)開催です。
夏の高校野球は49校で行われ、15日間(休養日1日含む)開催です。
春と夏の甲子園は主題歌が違う
夏の高校野球の主題歌は「栄冠は君に輝く」です。
作詞は加賀 大介氏、 作曲は古関裕而氏。
作曲の古関裕而氏は、NHKの朝ドラ「エール」(2020年3月30日から11月27日まで放送)の主人公のモデルとなった人です。
高校野球ファンにとっては言わずと知れた主題歌ですね。
高校野球を見たことがあれば、きっと耳にしている主題歌だと思います。
夏の主題歌がメジャーですが、春の甲子園にも主題歌が存在します。
「今ありて」というタイトルで、作詞が阿久悠氏、作曲が谷村新司氏です。
2008年の記念大会では甲子園で作曲者である谷村新司氏が歌いました。
春と夏の甲子園は優勝旗が違う
春の甲子園は「紫紺(しこん)」の優勝旗。
夏の甲子園は「深紅(しんく)」の優勝旗。
夏の甲子園を見ていると、「優勝校には深紅の優勝旗が贈られます」といった解説をよく聞きます。
高校野球の春の甲子園と夏の甲子園の違いを簡単に教えて!まとめ
春の甲子園も好きですが、どうも観る側としては夏の甲子園の方を追いかけてしまいます。
夏の甲子園は、夏休みやお盆休みシーズンに重なるせいもあり、テレビを観ているとついつい応援したくなるひいきの高校や選手が登場するんですよね。
そして、なんといっても夏の選手権大会は、選手たちも応援団も負ければ即終わり。
このスリリングな状況だからこそ、想定外の大逆転劇や熱いドラマが繰り広げられるのではと思います。
「春の甲子園」と「夏の甲子園」、いろいろ違いはありますが、選手たちのひたむきな姿は、毎回たくさんの感動を届けてくれます。
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