プロ野球のクライマックスシリーズとは何?
出場できるチームは?
どんな仕組みなの?
導入された理由は?
その疑問、解消します!
クライマックスシリーズの目的、
プロ野球のトーナメント方法、
CSのメリット・デメリットも含めて、
わかりやすくお伝えします。
プロ野球 クライマックスシリーズとは?
野球好きの同僚たちとプロ野球の話で盛り上がっていたところ、
その場に居合わせたサッカー好きから
「その『クライマックスシリーズ』って何?」
という質問が飛んできました。
ファンの間では『CS』とも略されるアレです。
サッカー好きの彼いわく、
「ファーストステージ」とか
「ファイナルステージ」とか
クライマックスシリーズのゲームで
使われる言葉もチンプンカンプンだと。
確かに、クライマックスシリーズ自体が
よくわかりにくいかもです。
クライマックスシリーズ(CS)とは
簡単に言うと
「日本シリーズ出場権を争うゲーム」
です。
『日本シリーズ』というのは
セ・リーグの王者とパ・リーグの王者が
日本一をかけて戦うゲームです。
ここで年間の優勝チームが決まります。
日本シリーズ出場をかけたプレーオフが
クライマックスシリーズ。
でも、これだけじゃわかりにくいですよね。
なので、
プロ野球の仕組みから理解するのが
一番簡単でわかりやすいと思います。
プロ野球には
『セ・リーグ』と『パ・リーグ』の
2つのリーグがあります。
日本のプロ野球は6チームずつ
セリーグとパリーグに分かれており
全12チームで構成されています。
まず、日本のプロ野球というのは
この12チームが日本一を目指して戦う
ゲームだということを念頭に。
日本のプロ野球のワンシーズンは
リーグ戦(ペナントレース)
↓
クライマックスシリーズ
↓
日本シリーズ
という順番に試合が行われて、
最終的に日本一が決定するという仕組み
になっています。
リーグ戦とクライマックスシリーズは、
セ・リーグとパ・リーグのリーグ別に
それぞれで行われるものです。
- リーグ戦(主に4月~9月)
- クライマックスシリーズ(CS:リーグ戦終了後10月)
- 日本シリーズ(CS終了後、10月後半)
弱いチームはリーグ戦で脱落し
さらにクライマックスシリーズで脱落します。
リーグ戦とクライマックスシリーズを
勝ち抜いた各リーグの代表1チームが、
最終決戦となる『日本シリーズ』で
日本一をかけて争うわけです。
リーグ戦とは?
『リーグ戦』は『ペナント(レース)』とも呼ばれます。
リーグ戦の目的は
クライマックスシリーズ(CS)の
出場チームを決めること。
リーグ戦はセ・リーグ、パ・リーグの
それぞれで行われ、
各チームで同じ試合数が決められています。
1チーム(球団)あたりの試合数は、
同一リーグの5チームと総当たりで
25回戦(125試合)、
別のリーグ6チームとの交流戦が
各3試合で18試合、
合計143試合を戦った後、
クライマックスシリーズ、日本シリーズ
という過程で最終的に「日本一」を争います。
プロ野球 クライマックスシリーズの仕組み
前述のように、
クライマックスシリーズの目的は
日本シリーズ出場チームを決めること。
全143試合のリーグ戦が終了すると
各リーグ6チーム中の上位3チームが
クライマックスシリーズに進むことが
できます。
この上位3チームで
日本シリーズ出場権を争うのです。
クライマックスシリーズではリーグ戦で
出場権を得られた上位3チームが
まず、リーグ戦勝率2位のチームと
3位のチームとで争います。
これが『ファーストステージ』です。
ファーストステージは2試合先勝の
3試合制です。
ファーストステージで先に2勝した方が
リーグ戦勝率首位のチームと戦います。
これが『ファイナルステージ』です。
ファイナルステージは4試合先勝で
最高6試合行われます。
リーグ戦首位のチームには1勝のアドバンテージが与えられており、
ファイナルステージで先に4勝した方が
日本シリーズの出場権を得ることができます。
こうしてクライマックスシリーズを
勝ち抜いたセ・リーグのチームと、
パ・リーグのチームとが
日本シリーズで戦うというわけです。
クライマックスシリーズを勝ち抜くのは
「優勝」ではなく、
あくまで、
「日本シリーズの出場権を得た」
ということです。
リーグ戦(ペナント)は全試合終了時、
勝率で首位のチームは『リーグ優勝』と
いわれますが、
クライマックスシリーズがあるので
実際は「優勝」というより
単にリーグ戦を1位で通過しただけに
過ぎません。
クライマックスシリーズの時に
1勝のアドバンテージこそあるものの、
2位・3位と戦って日本シリーズに
進まなければならないのですから、
先を考えると「優勝」という言葉には
ちょっと違和感がありますね。
プロ野球 クライマックスシリーズが導入された理由は?
クライマックスシリーズ(CS)は
2007年から導入されたシステムです。
そもそもクライマックスシリーズを
導入した理由には
「消化試合をなくしたい」
という目的がありました。
消化試合というのは、シーズンの終盤に
出てくる勝っても負けても意味のない
試合のことです。
クライマックスシリーズ導入前は
『リーグ優勝』したそれぞれのチームが
『日本シリーズ』で日本一をかけて
戦っていました。
ですが、
これだとリーグ戦で首位チームの優勝が
確定的になった時点で、
全チームの全ての残り試合が消化試合と
なってしまいます。
そうなると贔屓のチームがある人は
もちろん、野球ファンとしても
おもしろくないですよね。
でもクライマックスシリーズがあると
2位や3位のチームも日本シリーズに
進出できる可能性が出てくるので、
リーグ戦が終了するまで試合に意味を
持たせることができる上、
なにより、ファンは最後までリーグ戦の
順位争いから目が離せなくなります。
クライマックスシリーズのメリット
クライマックスシリーズの主催者は、
試合を行うチームの本拠地球団です。
そのため注目を集める試合が増えると、
その分、集客力も上がり、
グッズや飲食などの
売り上げも期待できるので、
興行収入が上がるというメリットがあります。
加えて、クライマックスシリーズ自体の
試合数で興行収入が増えるので、
球団としてはとても助かるシステムですね。
ちなみに日本シリーズの場合は、
NPB(日本野球機構)が主催となり、
各球団ではなくNPBが興行を管理します。
クライマックスシリーズのデメリット
クライマックスシリーズには
デメリットもあります。
今のシステムだとリーグ戦(4月~9月)
で全143試合もの試合数をこなし、
勝率が圧倒的首位だったとしても
4戦先勝のクライマックスシリーズで
負けてしまうと、日本シリーズには
進めません。
シーズンの前半や後半、終盤の好不調は
どのチームにもありますが、
3位でリーグ戦を通過したチームが
クライマックスシリーズを勝ち抜き、
日本シリーズに優勝することもあり得る
わけです。
ペナントレースを3位で終えたチームでも
日本一になる可能性があるとなると
本来のリーグ戦の意味や、
日本一を決めるための日本シリーズの
意味自体が揺らいでしまうのでは、
と懸念する声もあります。
プロ野球のクライマックスシリーズとは何?仕組みと導入理由を簡単に! まとめ
プロ野球のクライマックスシリーズとは
「日本シリーズ出場権を争うゲーム」
です。
リーグ戦上位3チームによって行われ、
リーグ戦での2位vs3位、
その勝者とリーグ戦首位が戦うという
トーナメント戦で行われ、
リーグ戦1位のチームが有利となるよう
あらかじめ1勝のアドバンテージを
与える仕組みが用いられています。
クライマックスシリーズが導入された
理由は、
「消化試合をなくしたい」
という目的からですが、
メリットもデメリットもあります。
日本のプロ野球は全12チームが
日本一というひとつの目標に向かって
戦うというわかりやすいもの。
リーグ戦(ペナントレース)
↓
クライマックスシリーズ
↓
日本シリーズ
というプロ野球の試合の流れを理解して
今年のクライマックスシリーズを
楽しんでみてくださいね。
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