土用干しとはどんな意味?
着物や衣類、書籍、田んぼ、梅干しについて教えて!
時期はいつからいつまで?
その疑問、解消します!
そもそも「土用」とは何か、
虫干しのやり方、
中干しの目的と効果、
梅干しを土用干しする理由も含めて、
わかりやすくお伝えします。
土用干しとはどんな意味?
梅雨明けの便りが届き始め、
本格的な夏を迎える頃。
この時期になると見聞きする言葉に
『土用干し』
があります。
土用干しは「どようぼし」と読みます。
土用干しとは、
「夏の土用」の時期に行われる風習です。
「土用」とは、日本の季節の移り変わりをわかりやすくする指標として作られた「雑節(ざっせつ)」のひとつで、
立春(2月4日頃)・立夏(5月5日頃)・立秋(8月7日頃)・立冬(11月7日頃)の前18日間を言います。
普通は、立秋の前(=夏の土用)を指して「土用」と言います。
土用干しは土用の期間中に、
着物、衣類、書籍、田んぼ、梅など、
いろいろなものを干すことを意味しています。
「土用」の期間に「干す」ので『土用干し』です。
ふだんの暮らしの中でも、
「洗濯物を干す」とか
「布団を干す」とか言いますよね。
それと同じで、
「干す」というのは、
水分・湿気を取り除くために、
日光や風などにあてて乾かすことです。
着物や衣類 書籍を干す土用干し
古くから、着物や衣類、
本や書物などは
土用の時期に陰干しをすると、
「虫に食われない」
と言われてきました。
日光に直接あてると傷んでしまうので、
風通しの良いところで陰干しにします。
衣類や書籍の土用干しは、
虫食いを防ぐという意味で
『虫干し』
とも呼ばれます。
昔の人は着物も家の中で土用干しをして
虫から守るのが当たり前でした。
実家の母は今でも
「湿気がこわいから」
と言って、
日にちを分けて着物の土用干しをしています。
着物を一枚づつ衣紋掛け(えもんかけ)に掛けて
鴨居にロープを張ったりして帯や小物も干すので、
部屋の中が凄まじいことになっていますが(笑)
天然の虫除け作用ですね。
夏の土用の時期は、
梅雨明けしていても湿度が高い日が多いので、
なるべくカラッとした日を選ぶのがポイントです。
1週間ほど晴天が続き乾燥している時がベストですね。
時間がない時は、
「タンスの引き出しを開けたままにしておいたりするだけでも違う」
と着物好きの母が申しておりました^^
書籍の場合、
『曝書(ばくしょ)』
とも言います。
田んぼを干す土用干し
田んぼを干す土用干しは
『中干し(なかぼし)』
と呼ばれています。
中干しの作業の時期が、
夏の「土用」の時期と重なることから
『土用干し』とも呼ばれています。
田んぼの土用干しとは、
土用の時期に田んぼの水抜きをすることです。
田植えをした田んぼの水を抜いて
土にヒビが入るまで乾かします。
期間は田んぼの土質によりますが、
だいたい7~10日間くらい干します。
何のためにするかというと、
以下のような目的があります。
- 稲穂が実らないムダな茎の成長をおさえる
- 土の中の有害なガスを抜く
- 稲の根本に酸素を入りやすくする
- 田んぼの面が固くなり作業性が高まる
田んぼの土用干し(中干し)をすることによって、
稲穂の根が成長しやすくなり、
元気な根がしっかり張って、
丈夫な稲が育ち、
豊かな実りになると言われています。
梅を干す土用干し
毎年梅干しを作っているおうちもあるので、
梅干しの土用干しは馴染みがあるかもです。
梅は6月に収穫されますが、
梅を塩漬けにした後に
夏の土用の期間に天日干ししたものが
『梅干し』
です。
この梅干しの天日干しの工程を『土用干し』と呼んでいます。
土用の時期は、
夏のあいだでもっとも日差しが強く、
もっとも晴天続きの日が多い時期。
塩漬け梅の天日干しは、
4~5日のあいだ、
連続して天気の良い日を選んで干すのがポイントです。
梅を干すことで、
以下の様なメリットがあると言われています。
・保存性が高まる
梅雨のあいだ梅酢に浸かっていた梅は、
天日干しをすることによって水分が抜ます。
十分に水分が抜けると、
腐りにくくなるので保存性が高くなります。
・実が柔らかくなる
梅に含まれる「エチレン」という植物ホルモンは、
果実を成熟させる働きがあります。
紫外線に当たるとエチレンが増加する傾向にあり、
梅干しが柔らかく仕上がると言われています。
・旨味が高まる
太陽の光をたくさん浴びることで、旨味が増します。
・殺菌作用
太陽の光には殺菌効果やカビの繁殖を防ぐ効果があります。
この時期は1年の中でも特に紫外線が強いので、
太陽の紫外線の殺菌効果によって
より保存性が高まりますね。
ちなみに
塩漬けしたのち土用干しをした梅は「梅干し」となり、
土用干しをしなかった梅は「梅漬け」となります。
土用干しの時期はいつ?
そもそも『土用干し』の「土用」というのは
「雑節(ざっせつ)」のひとつで、
春夏秋冬と年に4回あります。
雑節とは、
一年間を24等分した「二十四節気(にじゅうしせっき)」や、
季節の節目に行われる「五節句(ごせっく)」以外の、
季節の移り変わりの目安となる日の総称で、
日本人の生活文化から生まれた日本独自のものです。
陰陽五行説(全てのものが陰と陽で構成されるという「陰陽」の思想と、万物は木・火・土・金・水の五種類の気で成り立っているという思想を合わせた考え方)では、
春・夏・秋・冬をそれぞれ、
木・火・金・水としました。
そして、
「土」を各季節の終わりの18日間にあてはめました。
この立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間を土用といいます。
春土用 : 毎年4月17日前後~5月5日前後まで(立夏)
夏土用 : 毎年7月20日前後~8月6日前後まで(立秋)
秋土用 : 毎年10月20日前後~11月6日前後まで(立冬)
冬土用 : 毎年1月17日前後~2月3日前後まで(立春)
土用というと、
一般的には立秋前の18日間の夏土用を指します。
土用干しとは、夏の土用の時期に行われる風習でしたね。
なので
土用干しを行う時期はいつかというと、
『7月20日頃から8月6日頃(立秋前)まで』
となります。
18日間と記していますが、
年によっては18日とならないこともありますので、
約18日間と解釈してください。
土用といえば、
夏バテ予防にうなぎを食べる、
7月の『土用の丑の日』が有名ですね。
この日は約18日間の土用の期間中に、
12日周期で巡ってくる「丑の日」を指しています。
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土用干しとはどんな意味?時期はいつ?着物・田んぼ・梅干しについて まとめ
土用は春・夏・秋・冬と年に4回あり、
立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間を土用といいます。
土用干しとは、
夏の土用の時期に行われる風習のひとつで
18日間の土用の期間中に、
着物、衣類、書籍、田んぼ、梅など、
いろいろなものを干すことを意味しています。
土用干しを行う時期はいつかというと、
『7月20日頃から8月6日頃(立秋前)まで』
土用干しは季節を楽しむ夏仕事でもありますが、
夏の土用の期間は、
1年の中で最も暑さが厳しいとされる時期にあたります。
土用干しを行う際は、
体調管理には十分気をつけてくださいね。
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