晩夏とはどんな意味?いつからいつまで?季語としての使い方もご紹介

晩夏とはどんな意味?いつからいつまで?季語としての使い方もご紹介

晩夏とは?

どんな意味があるの?

いつからいつまで使う言葉?

季語としての使い方は?

晩夏の候の時期はいつ?

その疑問、解消します!

晩夏の「晩」の漢字の由来、

夏を区分する4つの時期、

旧暦と新暦の晩夏の期間、

晩夏の候の例文も含めて、

わかりやすくお伝えします。

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晩夏とはどんな意味?

8月も半ばを過ぎると
晩夏
という言葉をよく見聞きします。

残暑見舞いや手紙でも冒頭に
晩夏の候
という挨拶で使われるので
目にしたことがあるのではないでしょうか。

晩夏は「ばんか」と読みます。

晩夏とは、夏の終わり頃のことを意味します。

夏から秋へ移り変わる、秋の手前が晩夏です。

晩夏の「」という字は
「朝晩」の「晩」や「今晩」の「晩」。

なので「晩」と聞くと
「夜」をイメージするかもですが

この「晩」という漢字にはもうひとつ、
ものの「終わり頃」といった意味合いがあります。

というのも、「晩」という字は
漢字で「日にち」の「日」、
その横に「免除する」の「免」を
書きますよね。

この「免」という字は
もともとは象形文字で、

女性が赤ん坊を産み落とす様子を
描いたとされています。

女へんに「免」と書けば
「分娩」の「娩」になりますね。

女性にとって出産という営みは
命をかけた一大事です。

そこで、「免」という字には、
「やっとのことでつとめる」
という意味がこめられました。

そのことから、
日偏に「免」と書く「晩」という字は、

「日の光が届かなくなり、
まわりを見渡すのがやっとのこと」

という意味をあらわしています。

ここからさらに、「晩」という漢字が

「夕暮れ」

「おそい」

「終わり頃」

といった内容を含むようになったのです。

一生の終わりに近い時期を表す「晩年」、

遅い時期に成功を収める意味の「大器晩成」。

こうした言葉にも晩夏と同じ意味で
「晩」という字が使われます。

うだるような厳しい暑さも
ようやく終わりを迎える季節。

それが晩夏です。

晩夏とはいつからいつまで?

晩夏とはどんな意味?いつからいつまで?季語としての使い方もご紹介

晩夏とは、文字通り、

「夏の終わり頃」

という意味です。

では、夏の終わり頃とは具体的にいつ頃でしょうか?

一般的には、

8月下旬~9月上旬頃

が夏の終わり頃です。

実際にはこの時期でも暑さが厳しく
気温も30℃を超す日が続いたりしますが
秋はもうすぐそこまで来ています。

ひと口に「夏」と言っても、
夏の季節は、大きく4つの時期に分けられます。

  • 初夏……立夏(5月5日頃)から梅雨入りまで
  • 梅雨……梅雨の季節:6月中旬~7月中旬頃
  • 盛夏……梅雨が終わってから、お盆を過ぎるぐらいまで
  • 晩夏……夏の終わり頃

高気圧におおわれて
穏やかな晴天の多い「初夏」が過ぎると

暑さと雨の冷たさが入り混じる「梅雨
に入ります。

梅雨が明けるとカラッと晴れ間が続き、
青空に真っ白な入道雲が映える「盛夏」が訪れます。

盛夏といったらまさに夏本番、
夏の一番暑い時期、真夏ですね。

その夏の暑い盛りを過ぎたら
夏の終わり、「晩夏」となるわけです。

晩夏の時期になると
赤くやわらかな花びらを持つ葉鶏頭や
秋の七草のひとつ、
黄色いオミナエシの花も見かけます。

蝉の鳴き声の中にも
ツクツクボウシの鳴き声が混じりはじめ、
近づく秋を感じたりもします。

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晩夏を季語として使う時は?

晩夏とはどんな意味?いつからいつまで?季語としての使い方もご紹介

晩夏の時期、夏の終わりは
8月下旬から9月上旬とお伝えしましたが、

晩夏を季語として使う時は、歳時記の

小暑(7月7日頃)から立秋(8月7日頃)の前日まで

を目安にします。

二十四節気の小暑と立秋は
その年によって日にちが異なりますが、
季語として使う分には目安でかまいません。

晩夏の候の使い方

時候の挨拶で使われる季語は、
旧暦をもとにつくられたものなので、
一般的な季節感とずれていることが
少なくありません。

旧暦の晩夏は前述のように

『小暑(7月7日頃)から立秋(8月6日頃)の前日まで』

ですが、

実際の気候は時期的にも体感的にも
夏真っ盛りといった感じですよね。

旧暦と新暦では1ヶ月から1ヶ月半ほどの
ズレが生じてしまうので

それを理解した上で、

晩夏の候」を手紙などの挨拶文に使うなら

8月中旬から8月下旬

が適していると思います。

暑中見舞いを出す時期が

『小暑(7月7日頃)から立秋(8月6日頃)の前日まで』

立秋を過ぎると、残暑見舞いに代わります。

残暑見舞いを出す時期は、

立秋(8月6日頃)から8月31日頃まで

となります。

なので、「晩夏の候」を使うのは、
残暑見舞いと同じ期間と覚えておくと良いですね。

◇ 暑中見舞いと残暑見舞いについて詳しくはこちら。
暑中見舞いの時期はいつからいつまで?出す期間が過ぎたらどうする?

 
残暑見舞いとして使う場合は、

「残暑お見舞い申し上げます。晩夏の候、いかがお過ごしでしょうか?」

というような書き出しで使うことができます。

「候」というのは「季節」や「時期」を
表す意味があり、ニュアンス的には、

~というふうに季節も移り変わってきましたが

というくらいの意味合いです。

「晩夏の候」のフォーマルな使い方は
以下のようになります。

晩夏の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
晩夏の候、貴社いよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。
晩夏の候、○○様におかれましてはいっそうご活躍のこととお慶び申し上げます。

また、文頭だけではなく、文末に

「令和◯◯年 晩夏」
「20◯◯年 晩夏」

といった形式でも使われます。

晩夏とはどんな意味?いつからいつまで?季語としての使い方もご紹介 まとめ

晩夏とは、夏の終わり頃のことを意味します。

一般的には、

『8月下旬~9月上旬頃』

が夏の終わり頃です。

晩夏を季語として使う時は、歳時記の

『小暑(7月7日頃)から立秋(8月7日頃)の前日まで』

を目安にします。

手紙などの挨拶文で
「晩夏の候」を使う場合は、
残暑見舞いの時期と同様に、

『立秋(8月6日頃)から8月31日頃まで』

と覚えておくと使いやすいと思います。

夏の暑さにうんざりしていても
晩夏と聞くと、ちょっとせつない気もします。
夏の終わり、秋の気配を感じるような
美しい日本語ですね。

◇ 夏の話題 こちらもどうぞ。
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