文化の日とは何する日?
意味や由来は?
なぜ11月3日が祝日なの?
そもそも文化って何?
子どもに聞かれたらどう言えば?
その疑問、解消します!
文化の日と日本国憲法の関係、
「文化」の意味、
子どもに説明するときのコツも含めて、
わかりやすくお伝えします。
文化の日とは?
11月最初の祝日、11月3日は『文化の日(ぶんかのひ)』です。
「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」
として制定された国民の祝日です。
ちなみに11月には祝日が2つあり、ひとつめが11月3日の『文化の日』。
ふたつめは11月23日の『勤労感謝の日(きんろうかんしゃのひ)』です。
◇ 勤労感謝の日について詳しくはこちら
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文化の日の意味と由来は?
『文化の日』は『国民の祝日に関する法律』によると、
と趣旨が定められています。
「自由」、「平和」、「文化」と、いずれも抽象的な言葉が並んでいるので、意味がイマイチわかりにくいところがありますね。
実は、この「自由」と「平和」は『文化の日』の由来に関係しています。
11月3日は1946年(昭和21年)に日本国憲法が公布された日です。
この日本国憲法が「平和」と「文化」を重要視していることから、
2年後の1948年(昭和23年)、国の祝日法(国民の祝日に関する法律)で『文化の日』と定められました。
日本国憲法と文化は、一見つながりがないようにも思えますが、憲法の理念から「自由」と「平和」を取り入れたのです。
もともと11月3日は明治天皇の誕生日であった『明治節』という祝日でしたが、日本が第二次世界大戦で敗戦後、GHQによって撤廃されてしまいました。
ですが、日本政府は明治天皇の『明治節』を残したいという考えがあり、意図的に日本国憲法の公布を11月3日にし、その日を祝日に制定したという経緯があります。
つまり、『文化の日』というのは、形式的には日本国憲法の公布日を祝ったものとなっていますが、本来の意味としては『明治節』の考え方からきているものというわけです。
ちなみに、日本国憲法は、1948年(昭和23年)の公布から半年後の1947年(昭和22年)5月3日に施行されたことから、5月3日が『憲法記念日』として国民の祝日となっています。
◇ 憲法記念日について詳しくはこちら。
・憲法記念日とは?最も重要な祝日5月3日の由来と文化の日との関係
文化とは?
日本国憲法が尊重している「平和」はわかるけど、「文化」というのはイマイチわかりづらいかもですね。
「日本文化」「食文化」「文化人」「文化財」などなど、「文化」という単語はさまざまな場面で、いろんなニュアンスで用いられる言葉です。
文化は英語で「culture」。
英語の「culture」、もしくはドイツ語の「Kultur」の訳語として、明治時代頃から「文化」という単語が用いられるようになり、大正時代の頃には一般的に用いられたといいます。
明治時代の日本に西洋の文明が入ってきて、制度や習慣が大きく変化した現象を「文明開化(ぶんめいかいか)」と呼ぶのは学校で習いましたよね。
「文化」は『大辞林 第三版』の解説によると、
2. 学問・芸術・宗教・道徳など、主として精神的活動から生み出されたもの。
3. 世の中が開け進み、生活が快適で便利になること。文明開化。
4. 他の語の上に付いて、ハイカラ・便利・新式などの意を表す。 「 -鍋」 〔「文徳によって教化する」の意で「文選」にある。当初、「文明」と共に英語 civilization の訳語。中村正直訳「西国立志編」(1871年)にある。明治30年代後半英語 culture やドイツ語 Kultur の訳語へ転じた。現在の意では西周にしあまね「百学連環」(1870~71年)が早い例〕
とあります。
文化の日の文化とは?
『文化の日』の「文化」とは、
上記 『大辞林 第三版』2. の
“ 学問・芸術・宗教・道徳など、主として精神的活動から生み出されたもの。 ”
と、上記 3. の
“ 世の中が開け進み、生活が快適で便利になること。文明開化。 ”
を指しています。
『文化の日』の「文化」を簡単に言えば、
「人間が作り出した考え方や楽しみ」
と、
「生活を便利にするための研究や発明など」
のことです。
文化の日とは何する日?
11月3日の文化の日は、文化庁主催などの芸術祭や、美術館・博物館などの無料開放やイベントなど、多くの催しものが開催されています。
国の行事としては、皇居で文化勲章の親授式が行われます。
文化勲章というのは、人の役に立つような研究をしたり、人々を楽しませてくれるような美しい芸術(音楽や絵画、踊りなど)を生み出した人に、国から贈られる勲章です。
ノーベル賞受賞者、舞踊家、作曲家や小説家、画家、演出家や俳優、デザイナーなどなど、
我が国の科学技術や芸術などで、文化の発展や向上にめざましい功績を残している人たちに贈られています。
◇ 文化勲章について詳しくはこちら。
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文化の日は何する?
『子どもの日』は子どもの成長を祝い、『敬老の日』はお年寄りを敬う日です。
『文化の日』は何するのかというと、文化に触れたり親しむ日です。
『文化の日』の趣旨は
「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」
とありますが、要は、
「国民に文化について親しんでもらうためにできた日」
です。
『文化の日』には、
- 美術館に行く
- 博物館に行く
- 映画やDVDを観る
- 絵を描くなど何かを創作する
といったような芸術を楽しむには良い機会です。
芸術以外でも、民芸館・資料館・などで、郷土の文化の歴史や発展を知るのもおすすめです。
また、科学館などで文化の発達や最新の発明に触れるのも良いと思います。
『文化の日』は「文化をすすめる日」だけあって、11月3日の祝日に限ってお得になっているところが多くあります。
前述のように、無料開放している美術館・博物館なども多いので、行きたいところがあればチェックしてみるといいですよ。
文化の日の意味を子どもにわかりやすく説明するには?
文化の日の意味を子どもに尋ねられたら、
「文化の日はみんなに文化について親しんでもらうためにできた日。だから、一緒に映画でも行こうか」
といったように、
文化の日を誘い文句で説明するのがコツです。
出かけられなければ、別バージョンで
「文化の日はみんなに文化について親しんでもらうためにできた日だから、お絵かきでもしようか」
と誘ったりします。
一緒に行動して体感することで、『文化の日』が理解しやすくなります。
また、テレビでは文化勲章の親授式の模様が取り上げられますので、一緒に見ながら、
「人間が作り出した考え方や楽しみ」
や
「生活を便利にするための研究や発明など」
を説明するのもいいですね。
わたしたちの暮らしに欠かせないテレビや冷蔵庫、車や電車などの便利なものは、誰かが研究して世の中に送り出してくれた文化です
こういった身近な例をあげると、よりわかりやすい説明ができますよ。
文化の日とは何する日?祝日の意味と由来を子どもにもわかりやすく! まとめ
11月3日の『文化の日』は
「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」
として制定された国民の祝日です。
11月3日は1946年(昭和21年)に日本国憲法が公布された日で、
この日本国憲法が「平和」と「文化」を重要視していることから、『文化の日』と定められました。
『文化の日』の「文化」を簡単に言えば、
「人間が作り出した考え方や楽しみ」
「生活を便利にするための研究や発明など」
のことです。
『文化の日』は文化に触れたり親しんだりする日。
子どもに説明するときは、一緒に行動したり、身近な例をあげて「文化」を説明すると理解しやすくなります。
芸術の秋、さまざまな文化を楽しみたいですね。
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