『スポーツの秋』とはどんな意味?
『スポーツの秋』といわれるのはなぜ?
どんな由来や理由があるの?
その疑問、解消します!
「秋」と「スポーツ」が結びついた理由、
『体育の日』との関係、
『スポーツの秋』という表現のルーツも含めて、
わかりやすくお伝えします。
スポーツの秋とはどんな意味?
真っ青に澄み渡る空、
気持ちの良い気候に美しい紅葉、
食べ物もおいしい秋。
秋といえば、
『食欲の秋』
『読書の秋』
『芸術の秋』
そして、『スポーツの秋』です。
「スポーツをするだけなら、季節を問わないのでは?」
と思うかもですが、
『スポーツの秋』とは、
「秋はスポーツをするのに適した季節ですよ」
という意味の言い回しのことです。
秋は暑すぎず、寒すぎず、気候がいい。
やはり夏場のうだるような暑さや、
思わず体を縮めてしまう冬の寒さを考えると、
『スポーツの夏』とか
『スポーツの冬』といった言い方は馴染みませんよね。
秋晴れの日のさわやかな風や、お日さまの心地よさは秋の気候ならではです。
やわらかい日差し&過ごしやすいお天気になる秋はスポーツにピッタリ。
わたしは小学校も中学校も運動会が秋だったので、『スポーツの秋』という言葉に違和感を感じたことはなかったのですが、
最近では春の季節に運動会を行う学校が大半を占めています。
「過ごしやすい気候」という点でいえば『春』もそうですが、『スポーツの春』とはいいませんよね。
なぜ、四季の中でも「秋」にスポットをあてて『スポーツの秋』という表現が生まれたのでしょう。
スポーツの秋といわれるのはなぜ?由来は?
なぜ、秋という季節に限って『スポーツの秋』といわれるようになったのか?
明確な由来はないのですが、秋とスポーツが結びついたのには、以下の3つの理由があると考えられています。
- 『スポーツの日(旧 体育の日)』があるから
- 新聞記事の見出しから
- 秋は体を動かすのに適した気候だから
『体育の日(今の「スポーツの日」)』があったから
『スポーツの秋』と言われる1番の理由は、10月に『体育の日』があったからと考えられています。
2020年からは、『体育の日』は『スポーツの日』と名称が変わりました。
『スポーツの日(旧 体育の日)』は国民の祝日の一つで、毎年10月の第2月曜日です。
もともと『体育の日(現 スポーツの日)』は毎年10月10日だったのですが、
国民の祝日の一部を月曜日に移し、土曜日・日曜日と合わせ三連休にする「ハッピーマンデー」の制度によって、2000年(平成12年)から10月の第2月曜日なりました。
元の10月10日というのは、1964年(昭和39年)の東京オリンピックの開会式が行われた日です。
東京オリンピックの開催を記念して、もっとスポーツに親しもうという趣旨で制定されたのが『体育の日』です。
文部科学省が1966年(昭和41年)に、各都道府県知事・各都道府県教育委員会あてに出した通達に、『体育の日』制定の趣旨が記載されているので、以下に一部を引用しますね。
(1) 国民の祝日に関する法律によれば、体育の日を一〇月一〇日と定め、「スポーツに親しみ、健康な心身をつちかう。」ことをもつてその趣旨としている。
体育の日においては、この趣旨を生かすように心がけるとともに、さらにこれを契機として国民がいつそう健康や体力の保持増進に努め、ひいては明るく住みよい社会を建設することをねがつてこの日が制定されたのである。
(2) 一〇月一〇日を体育の日としたのは、昭和三九年に開催されたオリンピツク東京大会の輝かしい成果とその感激を記念し、これによつて体育の重要性について認識を深める意味でその開会式の日を選んだのである。
1964年(昭和39年)の東京オリンピックの開会式を10日10日に定めたのは、統計上、例年晴れることが多い日だったからと言われています。
上述のように、春に運動会をする学校が多いのですが、『体育の日』を基準に、運動会を秋に開催する学校も少なくありません。
また、『スポーツの日(旧 体育の日)』が3連休ということも相まって、全国各地でジョギング大会や各種スポーツ教室、国内外のトップアスリートによる講演や参加型の競技など、さまざまなスポーツイベントが行われています。
スポーツ施設の中には、『スポーツの日(旧 体育の日)』に施設の使用料を割り引いたり、無料にしたりするところもあります。
鈴鹿サーキットで行われるモータースポーツの最高峰フォーミュラ1、通称「F1(えふわん)」の日本グランプリも、例年この時期に行われることが多いですね。
◇ 『スポーツの日』について詳しくはこちら。
・体育の日がスポーツの日に変わるのはなぜ?理由は祝日の意味と由来に!
新聞記事の見出しから
1927年(昭和2年)9月25日の朝日新聞に掲載された、大学のレガッタレースと小学生のサッカー大会の新聞記事の見出しに『スポーツの秋』という表現が使われていたという記録があるようです。
レガッタレースとはボートやヨット、カヌーなどの競技会で、オールを使ってある一定の決められた距離を漕ぎ、その着順を競うスポーツです
『スポーツの秋』は「スポーツ」というカタカナ言葉から、比較的新しい表現に思えますが、意外に古いですよね。
朝日新聞の見出しになった1927年(昭和2年)から37年後、1964年(昭和39年)の東京オリンピック開催を記念して『体育の日」が制定され、それが2020年からは『スポーツの日』となる。
そう考えると朝日新聞の『スポーツの秋』という見出しは、なかなか先見の明がある表現ともいえますよね。
秋は体を動かすのに適した気候だから
秋の過ごしやすさは、もともと運動をするのに適している気候です。
さわやかな秋晴れに心地よい風を感じると、体を動かしてみたくなった経験はありませんか?
普段スポーツとは縁遠い生活でも、
「何かスポーツを始めようかな」
と意識するのもこの時期です。
実際、秋は基礎代謝が上がるので、効果的な運動をすることができます。
基礎代謝というのは、内臓を動かしたり、体温調節をするなど、
『人間が生命を維持するために必要なエネルギー』
のことです。
基礎代謝は寝ているときでも体が消費する最低限のエネルギーで、1日の消費エネルギーの60~70%を占めます。
夏よりも気温と体温の差が出る秋は、体温調節のために体がカロリーを消費するので、自然と基礎代謝がアップします。
この基礎代謝をうまく使えばダイエットにつながるのですが、基礎代謝が上がることによる『食欲の秋』に負けてしまうと太ってしまう・・・ということも^^;
◇ 秋の食欲についてはこちらをどうぞ。
・秋に食欲が増すのはなぜ?秋太りの原因になる5つの理由とは?
・秋は食欲が止まらないのはなぜ?「食欲の秋」になる意外な理由とは?
また、秋は収穫の季節でもありますよね。
農業に従事する人が多かった時代は、農作物の収穫が一段落する秋に運動会が行われる傾向がありました。
こういった背景もあって、
『秋=体を動かす』
運動をしたりスポーツを楽しむには、秋がもってこいの季節という印象があるのです。
スポーツの秋といわれるのはなぜ?由来にまつわる3つの理由! まとめ
『スポーツの秋』とは、
「秋はスポーツをするのに適した季節ですよ」
という意味の言い回しのことです。
四季の中でも、なぜ『秋』と『スポーツ』が結びついたのかというと、以下の3つの理由が考えられます。
- 『スポーツの日(旧 体育の日)』があるから
- 新聞記事の見出しから
- 秋は体を動かすのに適した気候だから
湿度が低く適度な気温の秋は、運動をするには最適な季節です。
運動の効果は目に見えるまでには時間がかかりますが、体の中では1週間、2週間単位でさまざまな変化が起こっているといいます。
スポーツで気持ちのよい汗を流したり、好きなスポーツを観たりするのは、ストレスの解消や予防にも大きな効果があります。
スポーツの秋、心身の健康のためにも生活に運動を取り入れていきたいですね。
◇ 「~の秋」の話題 こちらもどうぞ。
・読書の秋というのはなぜ?由来でわかる秋の夜長と読書週間との関係
・芸術の秋とはどんな意味?秋に芸術はなぜなのか 理由と由来もご紹介
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