桜前線とはなんのこと?
前線って何?
桜前線と呼ばれる理由や由来は?
桜前線が北上する速度はどのくらい?
その疑問、解消します!
桜前線の意味と気象庁との関係、
日本列島各地の桜の開花時期、
開花スピードが異なる理由も含めて、
わかりやすくお伝えします。
桜前線とはなんのこと?
日本の春の風物詩といえば、桜。
桜は我が国の代表的な花として、広く親しまれていますよね。
桜の開花を知らせるニュースや天気予報では、
よく「桜前線(さくらぜんせん)」という言葉を使いますが、
そもそも桜前線とは何のことなのか、
イマイチよくわからないって人は少なくありません。
桜前線とは?
桜前線とは、全国各地の桜の開花日を線で結んだもののこと。
日本各地の開花日を結ぶと、
天気図の前線のような線になることから桜前線と呼ばれています。
気象で言う『前線』は、暖かい空気と冷たい空気のかたまりがぶつかっている境目のことですが、
桜前線はこの気象でいう前線とは関係なく、
天気図の前線に似ていることから「桜前線」と呼ばれているのです。
桜前線の意味は?
日本は南から北まで長い形状をしているので、桜の開花にもズレがあります。
桜前線は、おおむね南から北へ、
高度の低い所から高い所へと進みます。
天気予報などで、
「桜前線が北上しています」
という言い方をしますが、
これは桜の開花が日本列島を南から北へと進んでいくからです。
桜前線は、3月中旬以降に九州や四国の南部から北上を始め、
4月になると日本列島をどんどん北上して、
5月の初旬あたりに北海道に到着します。
桜前線は、開花日と冬の気温が相関しているため、
過去のデータと照らし合わせると予測することができます。
例年1月中に沖縄・奄美地方でヒガンザクラが開花し、
3月後半に西日本と東日本の太平洋側でソメイヨシノが開花して、
4月の初めごろ満開となります。
桜の開花予想も、沖縄県のみヒガンザクラで、
それ以外の地域はソメイヨシノが基準になっています。
桜は4月末になると東北地方北部でも開花します。
ゴールデンウィークあたり、
5月に入る頃には北海道でもソメイヨシノやエゾヤマザクラ、チシマザクラなどが開花。
5月下旬になると北海道東部でも開花して、桜前線も終わりとなります。
桜前線と呼ばれる由来は?
「桜前線」というネーミングが、
天気図の前線に似ていることからきているというのはナルホドで、
とてもキャッチーなネーミングですよね。
桜は九州より北に位置する南関東の方が先に咲く場合があるなど、
開花予想日が必ずしも連続した線とはならない年もあります。
連続した線にならないとしても、
すっかり耳慣れたこの桜前線というネーミング、
実は桜前線はマスメディアによる造語です。
桜前線は気象庁の公式用語ではありません。
毎年、気象庁が『桜の開花予想』を発表していたのを、
1967年(昭和42年)あたりからマスコミが『桜前線』と呼ぶようになり、
1970年代になると気象庁も桜前線を用いるようになったと言われています。
桜前線は気象庁が発表するの?
桜前線は気象庁が発表するものと思われがちですが、そうではありません。
気象庁は、2010年(平成22年)から、開花予想の発表を取りやめました。
どうしてかというと、
民間の事業者による開花予想が活発に行われるようになったからです。
「気象の応用情報の業務は、民間事業者に任せる」
というのが理由です。
そもそも、気象庁の観測は、季節の遅れ進みや気候の違いなど総合的な気象状況の推移を把握するためのものですから、ニーズが違うわけです。
現在、開花予想の発表は、
ウェザーニューズや日本気象協会などの複数の民間の事業者が提供しています。
最近は、こうした民間企業や一般の方のネットワークで独自の桜前線を調査・発表するところもあり、
判断材料や基準の違いから桜前線も多様化しています。
桜前線が北上する速度はどのくらい?
満開の桜を見られるお花見はあっという間ですよね。
「桜のようにぱっと咲いてぱっと散る」
なんて言い方もあります。
桜の開花から満開までの日数は、
九州・中国・四国・関西・東海・関東地方では約7日間、
北陸・東北地方では約5日間、
北海道地方では約4日間
と言われています。
桜前線の北上は1日に約20km前後で、
関東北部まではおおよそ1週間かかります。
ここから北上する速度が遅くなり、
津軽海峡を渡って北海道に上陸するのは5月の連休前後になります。
桜前線が北上する速度は、その年の気象条件によっても異なりますが、
平年の気象状況であれば本州中部までは1日に35km北上すると言われています。
前線の北上する速度は、地域や標高など、場所によって大きく変わり、
南北に長い日本では、地域ごとに桜前線の北上する速度は異なってきます。
子どもの頃、
「桜前線の北上するスピードは時速約4㎞で歩く早さとほぼ同じ」
といった話を聞いたことがありますが、
確かに地形や気温によっても違ってくるはずですよね。
桜の北上する速さは
- 東京~青森間では、1日あたり、約20km
- 鹿児島~青森間では、1日あたり、約70km
という観測データがあります。
桜の開花速度は、東北地方に入ると10kmほど遅くなり約25km、
北海道ではさらに10kmほど遅くなり約15kmになるとされています。
また、山岳地帯では開花は周辺よりも遅くなります。
山岳地帯は周辺地域よりも気温が低いため、
一般的に標高が100m上がることに、
桜の開花も2~3日程度は遅れると言われています。
桜前線が梅前線を追い抜く?
梅の開花は、桜よりも約1ヶ月程早く発表されますよね。
梅も桜前線同様、北上していくのですが、その北上速度は1日に約15km。
梅の開花速度は桜よりも遅いのです。
そのため、梅は北上が終わるまでに途中で桜に抜かされてしまうことになります。
東京に住んでいると、
梅の季節が終わって桜の季節がやってくるというのは常識ですが、
梅と桜の順序が逆になる地域もあるのですね。
桜前線とは?名前の由来と意味は?前線が北上する速度はどのくらい?まとめ
桜前線は、全国各地の桜の開花日を線で結んだもののこと。
日本各地の開花日を結ぶと、天気図の前線のような線になることから桜前線と呼ばれています。
桜前線は、3月中旬以降に九州や四国の南部から北上を始め、
4月になると日本列島をどんどん北上して、
5月の初旬あたりに北海道に到着します。
「桜前線」というネーミングはマスメディアによる造語で、
気象庁の公式用語ではありません。
現在、開花予想の発表は、ウェザーニューズや日本気象協会などの複数の民間の事業者が提供しています
桜前線が北上する速度は、その年の気象条件によっても異なりますが、
平年の気象状況であれば、
本州中部までは1日に35km北上すると言われています。
桜の北上する速さは
- 東京~青森間では、1日あたり、約20km
- 鹿児島~青森間では、1日あたり、約70km
という観測データがあります。
「花の命は短くて」
とはよく言ったもので、
桜はあっという間に見頃の満開を経て、
はらはらと散っていきます。
桜のシーズンは桜前線をチェックして、
美しい満開の桜を見たいものですね。
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