花曇りとはどんな意味?由来でわかる使う時期 使い方の例文もご紹介

花曇りとはどんな意味?由来でわかる使う時期 使い方の例文もご紹介

花曇りとはどんな意味?

天気の特徴は?

使う時期はいつ?

花曇りの言葉の由来は?

どのような使い方をするの?

その疑問、解消します!

情緒にあふれた花曇りのニュアンス、

日常での使われ方、

花曇りを季語に用いた俳句や手紙の例文も含めて、

わかりやすくお伝えします。

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花曇りとはどんな意味?

桜の花が咲く頃になると、「花曇り」という言葉を見聞きすることが多くなります。

花曇りは「はなぐもり」と読みます。

ニュースや天気予報などで、

明日は花曇りの一日となります

といった言い方を聞いたことがありませんか。

花曇りとは、桜の咲く季節の、うっすらと雲がかかるような天気のこと

春先の薄曇りのことを表すのが花曇りです。

花曇りは正式な気象用語ではありません。

花曇りは、桜の時期の曇天模様のことを文学的に表した言葉といった感じです。

桜はおだやかな春の陽射しを浴びながら、そよ風に揺れる姿も美しいものですが、

太陽が隠れた曇り空の下の桜も、

空の薄いグレイに桜の花のピンク色が映えて、そのコントラストがとてもきれいな風景になります。

こうした桜が咲いている時の薄曇りが花曇りです。

花曇りとはどんな天気?

花曇りとはどんな意味?由来でわかる使う時期 使い方の例文もご紹介
花曇りは、はっきりと空全体が分厚い雲で覆われているような天気の時には使わない表現です。

「今にも雨が降りそう」

という時ではなく、

空がうっすらと雲に覆われているような、やや明るめの曇り空を指しています。

このような花曇りの日は、比較的暖気が入りやすく、のどかな春の陽気となります。

春先ならではの日の長さを、ゆっくり味わうことができますね。

花曇りの日の空を見上げると、うっすらと白っぽいグレイのベールがかかったように見えます。

時には、その白っぽいグレイのベールが層になった薄い雲が幾重かに見えることもあります。

この薄い雲は、「巻層雲(けんそううん)」とか、「高層雲(こうそううん)」と呼ばれます。

巻層雲や高層雲が空を覆うようになっているときも、花曇りの状態です。

よく、

花曇りの日は遠くが霞んで見えにくい

と言われますが、

その原因は、空気中のちりやホコリ、

また、大陸からの黄砂の影響もあります。

花曇りの由来は?

春は移動性高気圧の晴天と、

低気圧による悪天候の間隔が短く、

さらに日本の南岸に前線が停滞することから、

とても雲が多くなる季節です。

昔から、春といえば桜、

桜といえばお花見、

というのが日本人。

ですが、

桜の見頃に曇天になると

せっかくのお花見の時期なのに、空が曇っているのは残念

と寂しい気持ちになってしまったり、

年に一度の盛りを迎えた桜が晴天に恵まれないことを、

花の盛りに曇り空とは、桜もさぞがっかりだろうに

などと、

曇り空の下の桜の様子に哀愁を感じた日本人のこころの想いから、「花曇り」という言葉ができたと言われています。

桜と曇り空、

その風景に特別な情緒を感じるのは、今も昔も変わらないのですね。

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花曇りの使い方と例文

花曇りの意味を簡単にいえば、

春、桜が咲く時期の空が曇っている天気

です。

桜の時期の曇り=花曇り

なので、

花曇りという言葉を使う時期は、

桜が咲く時期の3月下旬~4月上旬

花曇りの使い方としては、


「毎年、この時期は花曇りが続くね」

「空模様は一日花曇り、雨の心配はいらなかった」

「花曇りの空のもと、スタートの号砲が鳴った」

「花曇りだったけど、お花見は盛り上がったよ」

といったような使い方をします。

俳句の季語として使う花曇り

花曇りとはどんな意味?由来でわかる使う時期 使い方の例文もご紹介
俳句では花曇りは春の季語です。

江戸時代末期から明治にかけての俳人、

井上井月(いのうえせいげつ)が詠んだ句に、

「降るとまで 人には見せて 花曇り」

というものがあります。

これは、

『桜が咲く時期、空を見ると雨が降りそうな様子。

降るかな、と思わせるけど、

でも、降らないことが多い』

という花曇りの特徴をうまく表しています。

明治の文豪、夏目漱石は大の甘党だったそうで、こんな句を残しています。

「花曇り 御八つに食ふは 団子哉」

漱石の甘党は有名で、

奥さんに止められても食べていたため、

甘い物の隠し場所を教えてくれる末の子を可愛がっていた、

というエピソードがあるほどです。

芥川賞で有名な、大正を代表する作家の芥川龍之介が詠んだのは、


「花曇り捨てて悔なき古戀(恋)や」

「遠火事の覺束(おぼつか)なさや花曇り」

芥川龍之介の花曇りを使った俳句には、

どこかアンニュイな感じがありますね。

手紙で時候の挨拶として使う花曇りの例文

花曇りは、手紙でも使われます。

手紙の中で頭語(とうご:「拝啓」など)の後にくるのが時候の挨拶です。

春の時候の挨拶では以下のような使い方をします。


「花曇りが続く今日この頃、お元気でお過ごしのことと存じます」

「花曇りの昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか」

花曇りは一年のうちでも、桜が咲く限られた時期しかつかえないご挨拶になります。

花曇りとはどんな意味?由来でわかる使う時期 使い方の例文もご紹介 まとめ

花曇りとは、桜の咲く季節の、うっすらと雲がかかるような天気のこと。

花曇りの日は、比較的暖気が入りやすく、

のどかな春の陽気となります。

花曇りの言葉の由来は、

桜の見頃の曇り空を残念に思ったり、

桜の様子に哀愁を感じた、

日本人のこころの想いから出来た言葉だと言われています。

桜の時期の曇り=花曇り

なので、

花曇りという言葉を使う時期は、

桜が咲く時期の3月下旬~4月上旬です。

花曇りは俳句や時候の挨拶にも使われ、

古くから親しまれてきた言葉でもあります。

昔の人たちも桜の季節に特別な情緒を感じていた花曇り。

この時期ならではの時候の挨拶に使ってみるのもおすすめです。

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