お花見の時に団子を食べるのはなぜ?
由来は?
三色団子の色の意味は?
串にさす順番には意味がある?
その疑問、解消します!
お花見に甘いものを食べるようになったきっかけ、
花見団子が生まれた背景、
色にこめられた表現や願いも含めて、
わかりやすくお伝えします。
お花見で団子を食べる由来は?
春のお楽しみのひとつに「お花見」がありますね。
桜の花を眺めながら散歩するのも楽しいですが、
桜の下にシートを敷いて、
親しい友人などと食べたり飲んだりしながら、
春のうららかな空気を感じるのも楽しいものです。
甘党なら、お花見と聞くと串にささった三色の団子を思い浮かべるのでは。
あの三色の団子は「花見団子(はなみだんご)」とも呼ばれています。
なぜ三色団子をお花見のときに食べるのか、
疑問に思ったことはありませんか?
花見団子の始まりは?
春になると和菓子屋さんやスーパーなどでもよく売られているお花見団子。
お花見のときに団子を食べる由来については諸説ありますが、
桜を楽しみながら甘いものを食べるというきっかけを作ったのは日本の武将として名高い、戦国大名の豊臣秀吉です。
お花見自体の歴史は古く、
奈良時代(710年~794年頃)には、貴族たちのあいだで行われていた記録があります。
貴族は梅や桜を愛でて和歌を詠み、
庶民は春に咲く梅や桜の花々に豊作祈願をしていました。
お花見の席で、料理やお酒を持ち込んで楽しみだしたのは安土桃山時代(1568年~1600年)に入ってからのこと。
安土桃山時代は、織田信長と豊臣秀吉が中央政権を握っていた時代です。
信長のあとを継いだ秀吉は、太閤になると大掛かりな花見イベントを催します。
なかでも、慶長3年3月15日(1598年4月20日)に行われた『醍醐の花見(だいごのはなみ)』は大変豪華なものだったことで有名です。
秀吉はこの京都の醍醐寺で開いた大茶会で、画期的なアイデアで皆を驚かせます。
茶会を盛り上げるために秀吉は、日本全国から美味といわれるお菓子を取り寄せて、来客に振る舞ったのです。
茶会の席にお菓子が出されるのは当たり前ですが、
それを全国からの銘菓にしたというのは、とてもインパクトがあることでした。
この出来事が発端になり、お花見の場では、甘いお菓子を食べることが慣わしになったと言われています。
◇ 醍醐の花見について詳しくはこちら。
・お花見の由来や起源とは?春に桜を愛でる歴史文化のルーツをご紹介!
花見団子の由来とは?
秀吉の『醍醐の花見』以降、お花見の際には、甘い物を食べることが習慣になり、
江戸時代に入ると、お花見が庶民の行楽としても親しまれるようになります。
お花見と団子が結びつき、広まった理由についてはハッキリしていませんが、
桜の木の下でごちそうを広げる庶民目当てに、茶店が「花見団子」と称して、お団子を売り出したのが定着したものと考えられています。
三色団子の色の意味は?
お花見団子は串の根元から、緑・白・ピンク(赤)の三色の串団子。
花見団子が3色になっている理由については、諸説あります。
一般的に言われている説を3つご紹介しますね。
- 三色は桜の移り変わる姿
- 三色は季節を表す
- 邪気を祓う
三色は桜の移り変わる姿
花見団子は桜の移り変わる姿を表現しているという説です。
三色団子はお花見の時期に一番見かけるので、この説には説得力がある気がします。
ピンク(赤)は桜の花のつぼみ、
白は満開の桜の花、
緑は桜の花が散り新たに芽吹く葉の姿を表しているというものです。
三色は季節を表す
花見団子の三色が春の情景をたとえているという説です。
ピンク(赤)はやわらかな春の日差し、
白は雪の色で冬の名残り、
緑は新緑の色で夏の予兆を表しているというものです。
それぞれの色が春、冬、夏の季節のイメージです。
となると、
「あれ、秋は?」
秋が見当たらないのにはオチがあって、
秋がない = あきない
「飽きない」に掛けて、「いくら食べても食べ飽きない」
さらに、
「商い」に掛けて、「商売が繁盛する」
という団子屋さんの洒落っ気からきていると言われています。
昔から日本人はダジャレや語呂合わせが好きなので、これもまた、納得の説です。
三色で春の様子を表す
ピンク(赤)は桜と太陽、
白は残雪と白酒、春の白い空、
緑は若草やよもぎを表し、
三色を使って春の様子を表しているという説です。
白酒は、桃の節句のときに飲むお酒です。
暖かい日差しに桜が咲き始め、雪が溶けだし、緑が芽吹く春の様子を、三色の団子で表現しているのですね。
三色は縁起物
ピンク(赤)は「紅」で運気を上昇させる色、
白は清浄を表す色、
ピンク(赤)と白の「紅白」でおめでたいとされ、
緑は邪気を払う効果があるという「よもぎ」を表現しているという説です。
三色の花見団子はおめでたい上に、邪気をはらってくれる縁起物の団子というわけです。
三色団子の色の順番には意味がある?
お花見団子は串の根元から、緑・白・ピンク(赤)、
上からピンク(赤)・白・緑、
となっているのが定番です。
この色の順番にも理由があると言われています。
いくつか説がありますが、よく知られているものは以下の2つです。
- 『桜の花が咲く順番』
- 『菱餅由来/春の情景』
それぞれ、ご紹介しますね。
桜の花が咲く順番を表している
三色になっている理由でも触れた、
『花見団子は桜の移り変わる姿を表現している』
と同じ解釈です。
ピンク(赤)は桜の花のつぼみ。
ピンク(赤)のつぼみがついたあとに、
白い桜の花が咲き、
緑は桜の花が散って葉桜となっていく、
という
「桜が咲いて散りゆく季節の様子」
を、串にさした団子一本で表現しているというわけです。
菱餅由来/春の情景
三色団子の順番は、
「最初からひな祭りの菱餅と同じにした」
という説です。
菱餅の方が歴史は古いので、
それにならったのかもしれませんし、
菱餅の色と順番も、春の情景を表しているとされているので、
同じ解釈をしたのかもしれません。
ひな祭りの三色の菱餅は、
地面には若草が芽吹いているけれど(緑)、
その上にはまだ雪が残っている(白)、
でも、雪の上には桃の花(ピンク・赤)が顔をのぞかせ咲いている、
ということを表しています。
花見団子の三色も、菱餅の三色も、まさに早春の様子を的確に表していますね。
◇ 菱餅についてはこちらに詳しく。
雛祭りのお雛様に飾る菱餅はどんな意味があるの?形の由来と色の意味
お花見で団子を食べる由来は?三色団子の色や順番には意味があるの? まとめ
お花見で甘いものを食べるようになったきっかけは、豊臣秀吉と言われています。
3色の花見団子の始まりは、江戸時代に、茶屋が花見客相手に販売したものが由来と考えられています
花見団子の3色、ピンク(赤)・白・緑にはそれぞれ意味があり、
串にさしてある団子の色の順番にも意味があります。
よく「花より団子」と言いますが、
お花見の時にお団子を食べるのには、歴史をたどるとしっかり意味があります。
流行りのスイーツも良いけれど、
春のお花見ならではの三色団子で桜の季節を楽しむのもいいですね。
◇ 花より団子について詳しくはこちら。
・花より団子のことわざの意味と由来は?使い方の注意点と例文もご紹介
◇ 桜餅好きはこちらもご参考に。
・桜餅は関東と関西で呼び方が違う?和菓子の長命寺と道明寺の違いは?
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