お正月の鏡餅はいつ食べる?
関東や関西で鏡開きの日が違うのはなぜ?
鏡餅を食べる意味や由来は?
その疑問、解消します!
鏡餅をおろす鏡開きの日にち、
関東で松の内が過ぎても鏡餅を飾る理由、
鏡開きという言葉の成り立ちも含めて、
わかりやすくお伝えします。
お正月の鏡餅はいつ食べる?
新しい年を迎えるために、お正月飾りとしてお供えしている「鏡餅(かがみもち)」。
子どもの頃は、近所のお米やさんが、つきたてのお餅を鏡餅にしてお正月用のお餅と一緒に届けてくれていました。
丸い鏡餅は見るからにモチモチとしておいしそうで、年も明けないうちから、
「鏡餅、いつ食べる?」
と、しつこく母に尋ね、そのたび、
「鏡餅は『鏡開きの日』までは飾っておくものなの」
と毎度同じ返事をもらっていたものです。
お正月の間、お供えをしていた鏡餅を食べるのが「鏡開き」です。
鏡開きの日にちは地域によって異なることがありますが、
一般的には1月11日が鏡開きの日です。
関西では鏡開きを1月15日に行う事が多く、
京都やその近郊では1月4日に鏡開きを行う地域もあります。
また、一部の地域では1月20日に鏡開きを行うところもあります。
鏡餅とは、新年の神様である歳神さまの依り代(神さまが宿るところ)とされています。
もともと、お正月というのは新しい年と共に歳神さまを家に招き入れて、おもてなしするための行事です。
家に迎えられた歳神さまは、その家の鏡餅に宿ると考えられています。
松の内の間は歳神様が鏡餅を依り代にするので、歳神様がいらっしゃる間はたべてはいけないのです。
松の内は門松などの正月飾りを飾っておく期間のことです。
松の内は、1月1日~1月7日の期間。
関西などでは、松の内を1月1日~1月15日までとするところもあります。
- 関東:1/1~1/7が松の内 鏡開きは1/11
- 関西:1/1~1/15が松の内 鏡開きは1/15(一部地域1/20)
鏡餅の丸いお餅は魂を表し、特別な霊力が宿るとされています。
このような理由から、鏡餅は鏡開きの日まで大切に飾られるのです。
とはいっても、なぜ、鏡開きの日が地域によって違うところがあるのか疑問ですよね。
それには江戸の武家社会が大きく関係しています。
鏡開きが関東と関西で違う理由とは?
鏡開きは「松の内」の後に行われます。
昔は、松の内が小正月と呼ばれる1月15日までだったので、鏡開きは1月20日に行われていました。
鏡開きの風習を定着させたのは江戸幕府の第3代将軍(在職:1623年 – 1651年)、徳川家光(とくがわいえみつ)です。
家光が亡くなるまでは、鏡開きは1月20日に行われていたのですが、
慶安4年(1651年)4月20日に家光が死去すると、1月20日が月命日にあたることから、その日は忌日として鏡開きを避けるようになったのです。
この武家社会のルール変更によって、徳川幕府があった関東では、鏡開きの日にちが1月20日から1月11日に変更されたと言われています。
そして、鏡開きの日にちの変更に合わせて、関東では松の内の期間も1月15日から1月7日に変わりました。
ところが、関西ではこの変更がなかなか広まりませんでした。
そのため、今も関西の多くの地域では1月15日が松の内の最終日であるとともに、鏡開きの日とされています。
京都や一部の地域で鏡開きが1月4日に行われる明確な理由はわかりませんが、
江戸時代に「都」として栄えていた京都には独自の風習があります。
正月三が日というように、
「正月は1月3日に終わるので、4日にはお供えをおろして食べる」
という慣わしもそのひとつかもしれません。
鏡開きが1月11日になった理由は?
鏡開きが1月11日になった理由には諸説あります。
江戸時代、武家が鎧兜に供えていた具足餅(ぐそくもち)を食べる「具足開き(ぐそくびらき)」を11日と定めたことから、この日に合わせたという説。
他には、商家が行っていた「蔵開き(くらびらき」が11日だったことから、同じ11日としたという説があります。
蔵開きというのは、毎年1月11日に商家が新年初めて蔵の扉を開き、かき餅を湯煮してぜんざいなどを作り、祝儀としてふるまった行事です。
他にも、1月11日がゾロ目で縁起が良いからといった説もあります。
鏡開きで鏡餅を食べる意味や由来は?
お正月の鏡餅は歳神様が宿っていたお餅です。
鏡餅には歳神様の魂も宿っているとされる事から、
「鏡餅を食べることで歳神様の力を授けてもらう」
という意味があります。
具体的には
鏡餅を食べることによって、無病息災、健康長寿、子孫繁栄、良縁が期待できる、
と言われています。
また、鏡餅には「歯固め(はがため)」という意味もあります。
昔、長寿を願って、正月三が日に堅いものを食べて歯を丈夫にし、長寿を願うことを「歯固め」といいました。
歳神様にお供えしたお餅を、そのまま「歯固め」と呼ぶところもあり、
これを夏季まで保存して、6月1日に食べる地域もあります。
昔も今も、丈夫な歯の持ち主は長生きできると考えるのは同じですね。
鏡餅を食べる由来は?
新しい1年の一家一族の無病息災を願い、下げた鏡餅をありがたく食べるようになったのが鏡開きの由来だと言われています。
鏡餅は、その形が昔の銅でできた鏡の形に似ていたことから、鏡餅と呼ばれます。
鏡はもともと「八咫鏡(やたのかがみ)」という三種の神器のひとつを表すとされ、古来より神事に使われてきたものです。
お正月には、
神聖な鏡餅を歳神様にお供えして
お供え期間が終わったら鏡餅を開いて食べて
1年の無病息災を願う。
鏡餅の意味や由来がわかると、正月飾りとしてお供えするだけではなく、食べてこその鏡餅と言えますね。
なぜ鏡開きというの?
鏡開きには、
「鏡開きのお餅に包丁などの刃物を入れてはいけない」
という決まりごとがあります。
これは、鏡餅を『切る』ということが縁起が悪いとされているからです。
なので、鏡餅をカットするときは包丁を使わず、手や木槌で割ります。
そのことを、縁起よく『開く』というようになりました。
鏡餅を『切る』ということが縁起が悪いとされていることには2つの理由があります。
鏡餅を刃物を使って『切る』ことは、
- 「神さまに刃物を向ける」ことにつながる
- 「武士が切腹する」ことにつながる
として、
『切る』が忌み言葉として嫌われてきたのです。
鏡開きはもともと武家から始まった行事です。
鏡餅に刃物を使うことは、切腹をイメージすることからNG、
そこで、硬いお餅を手や木槌などで割るのですが、
『割る』という表現も縁起が悪いということで、
末広がりを意味する『開く』を使って「鏡開き」というようになったのです。
ちなみに、お祝いごとの時に振る舞われる樽酒のふたを割ることも鏡開きといいますが、
これは酒樽のふたのことを「鏡」と呼んでいたからです。
鏡開きと同様に、縁起の良い『開く』という表現を使っています。
お正月の鏡餅はいつ食べる?鏡開きの日にちが関東と関西で違う理由! まとめ
一般的な鏡開きの日は1月11日です。
鏡開きの日にちは関東と関西で異なり、
関西では鏡開きを1月15日に行う事が多く、
京都やその近郊では1月4日に鏡開きを行う地域もあります。
また、一部の地域では1月20日に鏡開きを行います。
- 関東:1/1~1/7が松の内 鏡開きは1/11
- 関西:1/1~1/15が松の内 鏡開きは1/15(一部地域1/20)
もともと、鏡開きは1/20に行われてきましたが、
江戸時代、徳川第3代将軍、家光公が慶安4年(1651年)4月20日に亡くなり、月命日が20日になったことから、
その日は忌日として20日を避けるようになり、このような地域性が生まれたと言われています。
鏡餅には、
『鏡餅を食べることで歳神様の力を授けてもらう』
という意味があります。
歳神様のパワーをいただける鏡餅、
意味や由来を意識すると、鏡開きのお餅は元気がわいてくる食べ物に思えてきますね^^
◇ 鏡開きの方法について詳しくはこちら。
・鏡餅の鏡開きのやり方お餅がかたい時の方法と真空パックの場合の裏技
◇ 鏡餅のレシピについてはこちら。
・鏡餅アレンジレシピ簡単イタリアン揚げ餅とコンソメおかき
◇ 鏡餅の話題 こちらもどうぞ。
・鏡餅の手軽なカビ防止対策4つとレンジで簡単カビの取り方
・お正月の鏡餅はいつからいつまで飾るのか正しいお供え場所はどこ?