激甚災害とはどんな意味?
わかりやすくいうと?
激甚災害の種類って?
激甚災害に指定されるとどうなる?
その疑問、解消します!
激甚災害が表す言葉の意味と法律の仕組み、
本激と局激の違い、
激甚災害指定による具体例も含めて、
わかりやすくお伝えします。
激甚災害とはどんな意味?
『激甚災害(げきじんさいがい)』、難しい言葉ですよね。
『激甚災害』には、「災害の度合いを表す言葉の意味」と、「国が財政支援をする仕組み」を示す2つの意味があります。
激甚災害の「激甚」とは「非常に激しいこと」。
「激甚」の「甚」は、程度が普通の度合いをはるかに超えていることを意味します。
「甚大な(じんだいな)」とか、訓読みでの「甚だしい(はなはだしい)」などに使われています。
相手を非難する時などに、
「勘違いも甚だしい」
「非常識も甚だしい」
といった表現をしますが、
「甚」だけでも「並はずれてすごい」という意味で使われるので、
「激甚」となると、「非常に激しい、度を超えて激しい」ことを意味します。
激甚災害の「災害」は、「天災や戦争・事故などによって受けるわざわい」のこと。
なので、激甚災害は「非常に激しい被害の災害」という意味になります。
そして、激甚災害には、災害の復興事業に国が財政を支援する仕組みの意味もあります。
大地震や台風、暴風雨などで甚大な被害を受けた災害のうち、被災地域や被災者に助成や財政援助を特に必要とするものが『激甚災害』です。
『激甚災害』は激甚災害法に基づいて政令で指定されます。
激甚災害指定をわかりやすく
日本には1962年(昭和37年)に施行された『激甚災害法』という法律があります。
大規模な地震や台風など、著しい被害を及ぼした災害に適用される法律で、
国が被災者や被災地域に、特別の助成や財政援助・復興支援を行うことを定めています。
この法律に基づいて、
「今回の災害はこれに該当する」
と閣議決定された場合、
その災害を『激甚災害』に指定することができます。
1994年の三陸はるか沖地震
1995年の阪神・淡路大震災
1998年の台風5~9号による暴風雨災害
2004年の新潟中越地震
2007年の台風5号による暴風雨災害
2011年の東日本大震災
2016年の熊本地震
2018年の西日本集中豪雨
2019年の台風15号と台風19号よる暴風雨災害
2019年の梅雨前線・台風による暴風雨災害
2019年の前線による豪雨・台風による豪雨
2020年の梅雨前線による豪雨
2021年の梅雨前線による豪雨
2021年の前線による豪雨・台風第9号・第10号
2022年の福島県地震
2022年の前線による豪雨・台風第8号
2022年の台風第14号・第15号による暴風雨災害
2023年の石川県地震
2023年の梅雨前線・台風第2号による豪雨及び暴風雨災害
2023年の台風第7号による暴風雨災害
2023年の台風第12号・第13号による豪雨及び暴風雨災害
2024年の能登半島地震
過去5年の激甚災害の指定状況は内閣府の防災情報のサイトで見ることができます。
激甚災害に指定されるとどうなる?
激甚災害に指定されると、災害の復興事業への国の補助率が上がります。
国が災害復旧事業の補助金を上積みして、被災地の早期復旧を支援するのです。
被害にあった河川や道路、公立学校、農林水産施設、中小企業など、施設の再建や復旧にかかるお金を国が補助する際、
『激甚災害指定』がされることによって、復興事業への国庫補助の金額が増額されたり、
企業や個人に対する特別貸付などが行われるようになります。
激甚災害の種類は?
激甚災害指定は2種類あります。
- 激甚災害(本激):地域を特定せず災害そのものを指定する
- 局地激甚災害指定基準(局激):市町村単位で災害の指定を行う
被害状況次第で、『激甚災害』の水準に該当していれば「激甚災害(本激)」となり、該当していなければ「局地激甚災害指定基準(局激)」の扱いになります。
激甚災害(本激)
全国規模で災害そのものを指定するのが『激甚災害(本激)』です。
『激甚災害』は通称「本激(ほんげき)」と呼ばれます。
これはもうひとつの『局地激甚災害指定基準』が、略称で「局激」と呼ばれているからのことで正式なものではありません。
本激も局激も、同じ『激甚災害法』に基づく特例措置が適用されるので、同種の措置について内容に違いはありません。
本激は対象区域が全国です。
地域の指定がなく、広範囲に被害を及ぼす災害に適用されます。
「本激」扱いの方が特例措置に適用される数が多く、
また、「局激」に比べると早く指定されます。
局地激甚災害指定基準(局激)
『局地激甚災害指定基準』は局地的な災害に適用され、市町村単位で指定するものです。
通称で「局激(きょくげき)」と呼ばれています。
局激は、本激の指定基準を満たさなかった場合に指定の可否が判断されます。
本激の指定は、復旧・復興費が被災自治体の税収の5割に達するかなどを基準に判断される「激甚災害指定基準」に従って決定されます。
なので、ある災害が本激の指定を受けて、何らかの特例措置が適用された場合は、本激で既に適用された同じ措置が局激で適用されることはありません。
つまり、同じ災害について二重に補助率等がかさ上げされることはありません。
局激は通常、毎年2月に市町村単位で指定されます。
これは、被災した市町村の標準税収入等がわかってから基準と照らし合わせる必要があるためです。
ですが、復旧費用見積りが基準を超えることが明らかな場合はすぐに指定されます。
激甚災害とはどんな意味?指定されると?わかりやすく教えて! まとめ
『激甚災害』は「非常に激しい被害の災害」という意味で、
「国が災害の復興事業に財政を支援する仕組み」という意味もあります。
『激甚災害』は激甚災害法に基づいて政令で指定され、
指定されると、災害の復興事業への国の補助率が上がります。
激甚災害指定は2種類あります。
- 激甚災害(本激):地域を特定せず災害そのものを指定する
- 局地激甚災害指定基準(局激):市町村単位での指定を行う
他にも、国が指定する災害には、
大規模災害復興法に基づいて復興対策本部が復興計画をつくる「特定大規模災害」、
自治体の管理する道路や橋などの復旧事業を国が肩代りできる「非常災害」、
特定非常災害特別措置法に基づいて応急仮設住宅の入居期限延長などの行政手続の期限延長を認める「特別非常災害」などがあります。
自然の脅威には逆らえないとわかっていても、災害は本当に恐ろしく、怖いものです。
いざという時に自分や家族の身を守るために、住んでいる地域のハザードマップをチェックして、被害予測はしっかりと確認しておきたいですね。
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