七夕の歌で笹の葉さらさらで始まる曲の歌詞は?
のきばやきんぎんすなごって何のこと?
詞の意味は?
その疑問、解消します!
定番ソングの童謡「たなばたさま」の全歌詞、
ごしきなどの聞き慣れない言葉の今風の意味、
子どもにもわかる簡単な意訳もお伝えします。
七夕の歌の歌詞を教えて!
7月7日は七夕(たなばた)です。
七夕の歌と言えば、
「♪ 笹の葉さ~らさら~」
で始まる曲が代表的な歌ですよね。
七夕シーズンになると、街なかでもよく流れています。
わたしも子どもの頃から今にいたるまで、数え切れないくらい口ずさんできました。
歌詞が2番までしかないのも、覚えやすい理由のひとつかもしれません。
このメロディーを聞くと、子どもの頃、浴衣を着せてもらって七夕まつりに連れて行ってもらったことや、風に揺れる庭の笹飾りなどを瞬時に思い出します。
夏の風物詩、七夕の行事には欠かせない定番ソングです。
七夕の歌の歌詞
笹の葉さらさらで始まる七夕の歌の正式なタイトルは、「たなばたさま」といいます。
「たなばたさま」は昭和16年3月に文部省から発行された『うたのほん/下』に掲載されている童謡です。
作詞:権藤はなよ
補詞:林柳波
作曲:下総皖一
ささのはさらさら
のきばにゆれる
おほしさまきらきら
きんぎんすなご
ごしきのたんざく
わたしがかいた
おほしさまきらきら
そらからみてる
ひらがなで書くとシンプルですが、メロディーに合ったとても可愛い歌詞です。
『たなばたさま』の歌詞を漢字を交えて書くと以下のようになります。
軒端に揺れる
お星様きらきら
金銀砂子
五色の短冊
私が書いた
お星様きらきら
空から見てる
こうして歌詞を見ると、子どもから大人まで、長く愛されている「たなばたさま」の歌詞には、ちょっとわからない言葉や言い回しがあります。
「軒端(のきば)」「金銀砂子(きんぎんすなご)」「五色(ごしき)」はふだんの生活では馴染みのない言葉ですよね。
それぞれの意味をひとつひとつご紹介します。
のきばとは何のこと?
『たなばたさま』の歌で
「♪ のきばにゆれる」
という歌詞の「のきば」は漢字で「軒端」と書きます。
文字のとおりに、「軒(のき)の端(はし)」という意味。
「軒(のき)」というのは、屋根が家屋や建物の壁面より、外にはみ出している部分のことです。
軒は日差しや雨風を避けるために屋根の下に壁から張り出すように作られたもので、「軒先(のきさき)」や「軒下(のきした)」、「庇(ひさし)」とも呼ばれているところです。
「♪ のきばにゆれる」は、家の軒先に短冊を飾った笹の葉があり、風に揺れる様子が歌詞になっているのです。
庭に飾った笹の葉が、風に揺られている様子を縁側から眺めている情景が浮かんできます。
すなごとはなんのこと?
『たなばたさま』の歌で
「♪ きんぎんすなご」は漢字で書くと「金銀砂子」。
といっても、ピンと来ないですよね。
砂子は、金や銀を細かい粉(粒)にしたもののことです。
金箔や銀箔を砂のように細かくして、砂のように粉状にしたものが金銀砂子です。
ふすまや蒔絵、色紙の装飾などに使われたり、伝統工芸品などにも使われています。
昔から金箔・銀箔は、とても高価なものです。
歌の中では、その金箔・銀箔の粉を、夜空に光り輝く空の星々に見立てています。
ごしきとは何のこと?
ごしきは、「五色」と書きます。
五色というのは、中国にある「五行説」が由来です。
七夕は中国から伝わってきたもので、中国には「五行」という思想があります。
五行は、
「この世の物は、木、火、土、金、水の五種類から成る」
という考え方で、この五行には、それぞれ対応する5色の色があります。
- 緑(青)=木=徳を積む・人間力を高める
- 赤=火=父母や先祖に感謝する気持ち
- 黄=土=信頼・友人を大切にする
- 白=金=義務や決まりを守る
- 黒(紫)=水=学業向上
この5色の色が短冊に色がついている由来です。
黒は、縁起の悪い色として、日本では馴染めなかったので、代わりに紫が使われるようになりました。
◇ 七夕飾りの短冊の色について詳しくはこちら
・七夕に短冊を飾る由来と色の意味を知って願い事は色別で叶えよう!
最近では、五色にこだわらず、様々な色でカラフルな短冊が飾られていますね。
また、五色は、「多種多様な色」「いろいろな色」といった、たくさんの種類の色という意味合いに使われることもあります。
なので、「♪ ごしきのたんざく」には5色の色がついた短冊という意味の他に、「たくさんの色合いの色とりどりの短冊」という意味にも取れます。
七夕に歌う笹の葉さらさらの歌詞の意味は?
「たなばたさま」の歌の歌詞の意味を見ていきますね。
(軒先の端で、短冊などを飾った七夕の笹飾りが風に吹かれさらさらと揺れている)
お星様きらきら 金銀砂子
(夜空にたくさんの星たちが、金銀の細かい砂のようにきらきら輝いている)
五色の短冊 私が書いた
(あの七夕飾りには、願いをこめてわたしが書いた色とりどりの短冊がある)
お星様きらきら 空から見てる
(わたしたちの楽しそうや様子や七夕飾りを、空で光輝く星たちも見守ってくれている)
風景が絵になって浮かんでくる歌詞ですね。
昔ながらの日本の夏の景色が、メロディーと共に呼び起こされます。
子どもの頃は意味がわからないまま歌っていましたが、こうして一つ一つの意味を見ていくと、ほっこり優しい気持ちになってきます。
七夕の歌の歌詞で笹の葉さらさらで始まる童謡の意味を簡単に教えて!まとめ
毎年、七夕の時期になるとよく耳にする「たなばたさま」の歌詞は、子どもにとっても、とても歌いやすいメロディーです。
童謡には、耳に馴染んだものでも、古い言い回しや、使い慣れない言葉があるので、大人になってから初めて意味を知るものもあります。
わたしは、長いこと「のきば」を「まきば(牧場)」だと思いこんでいて、広大な牧場で夜風に揺れる七夕飾りをイメージしていました(笑)。
何気なく歌っている「たなばたさま」も、意味がわかると夜空を見上げたり、夏の風を感じたりして、これまで以上に身近なイベントとして七夕がより楽しくなるのではないでしょうか。
今年も、素敵な七夕の思い出が作れるといいですね。
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