お盆の法要、お布施の金額はどのぐらい?
車代は必ずいる?
正しいお布施のお金の包み方マナーを知りたい!
その疑問、解消します。
本来のお布施の意味から知る車代・御膳料との違い、
封筒の書き方とお金の入れ方、
渡す時のタイミングまで詳しくお伝えします。
お盆の法要に渡すお布施の金額と意味
お盆になると、お坊さんが、檀家さんなどの家にお経を手向けにいらっしゃる「お盆法要」があります。
檀家じゃなくても、お盆の時期に法要をする際に、お坊さんにお世話になる場合もあります。
自宅に来てお経をあげてくれたお坊さんには「(おふせ)」を渡しますが、その金額はいくらぐらいが相場なのでしょうか。
お布施は決まった金額があるものではないし、
ご近所や親戚に訊いても結構な幅があったり、
新盆(初盆)とそうではない時では金額も違ってくるし、
「一体いくらを御包みするのが良いのか」
悩んでしまうところです。
私は、実家に来たお坊さんや、親類の法要の席にいらしたお坊さんたちに何度か直接たずねたことがあります。
「失礼を承知でお伺いしますが、参考までに、お盆法要は皆さんいかほど御包みして…」
不躾でしょうか(笑)。
今思うと当たり前ですが、お坊さんたちは、
「お気持ちで結構です」
とか、
「菩提寺にまかせていただいてかまいませんよ」(要らないってこと?)
「お心次第です」
などと、とおっしゃいました。
法事のお布施の意味とは?
御包みの金額について悩んでいる場合、まずはお布施の意味をしっかり理解することがお悩み解消の一歩になります。
お布施は、目の前のお坊さん(僧侶)に直接渡すものですが、お経の代償というわけではありません。
お経をあげに来てくれたお礼ということではなく、お布施はご本尊に捧げるものなのです。
ご本尊というのは、信仰の根本対象をいいます。
それぞれの宗派によって、最も重要な信仰対象(仏像・掛け軸・絵画・書など)を指します。
如来・菩薩・観音様などが本尊として安置されている場合が多いですね。
お寺側は、人々から受け取った「お布施」により、ご本尊をお守りしている寺院を維持して、法務(お寺の仕事全般)をすることができます。
また、ご本尊を守り、活動しているお寺の住職やその家族の生活を助ける役目もお布施は果たします。
お布施を渡すということは、お寺さんを助けることにつながり、それは功徳(善い行い)を積むことにつながります。
つまり、お布施は読経を上げていただいたことへの感謝の気持ちを伝える方法の一つで、お布施を渡すという行為で我々も修行をしているとも言えます。
お布施はご本尊を守るために使われ、そのお布施の役割は自分の修行を積むことだと考えるといいかもしれません。
お坊さんのお布施お盆法要の相場は?
お布施はご本尊に捧げるもの。
「ご本尊にお供えする」という言い方がわかりやすいかもです。
間接的に感謝の気持ちを伝える方法の一つとして、お坊さんにお布施を差し出すわけですから、その金額が家計の負担になるようではよろしくありません。
お家の経済状況で無理をせずに、お供えできる精一杯の額をお布施としてお渡しすればよいのです。
通常のお盆のお布施の相場
お盆のお布施の金額には、決まり事も一定の相場もありません。
あえていうなら、一般的には5000円位です。
ただ、これはあくまで目安です。
たとえば、年に複数回の読経供養をお願いする機会がある場合など、御包みを1000円から2000円にしている場合も少なくありません。
また、地区によっては取りまとめをしてくれる方がいて、金額を決めているところもあります。
お盆のお経にはお布施プラス車代も
「お車代」は必ず用意するものではありません。
感謝の気持ちをより伝えたい場合は、お布施とは別に「お車代」などをお渡しするのも丁寧です。
お車代もお寺から自宅(会場)までの距離によりますが、一般的には5000円~10000円位が相場です。
お坊さんがバイクや自家用車を使って訪問された場合でも、「お車代」として渡してかまいません。
新盆・初盆の場合のお布施の相場
新盆・初盆は四十九日の法要が終わった後の、初めての法要のことです。
「新盆」と「初盆」は同じ意味で、故人が亡くなった後に、初めて迎えるお盆のことを指します。
「新盆」は地域によって「にいぼん」「あらぼん」、または「しんぼん」と読みます。
「初盆」もまた、地域によって呼び方(読み方)が異なり、「はつぼん」、または「ういぼん」と読みます。
◇ 新盆・初盆について詳しくはこちら
・新盆と初盆の違い!呼び方に見る地域差とは? どっちを使ってる?
新盆・初盆は初めての法要なので、お経も含めて特別な法要となるため、普段のお盆とはお布施の相場も違ってきます。
新盆・初盆の相場は30000円~50000円です。
一般的には30000円が主流です。
その他、上述のように「お車代」を添える場合もあります。
お車代の金額は上述の普段のお盆と同様に、5000円~10000円位。
また、新盆・初盆の場合は、親戚などを呼び会席(会食)が行われます。
お坊さんが会席への出席を辞退された場合は、「御膳料」として、5000円~10000円程度をお包みするのが一般的です。
お盆法要のお布施封筒の表書きとお金の包み方
お布施、お車代、御膳料と用意する場合は、それぞれ意味が違うので、1つにしないで3つの御包みを用意します。
お布施は寺院のご本尊に対するお布施、つまりお寺さんの財源となるお布施。
お車代はお寺以外の場所までお坊さんが足を運んでくださった足代(交通費)。
御膳料はお坊さんが会席に出席できない為の食事代。
中身は同じでも、それぞれ意味が違いますね。
なので、お渡しする分はそれぞれに封筒を用意します。
お布施に適切な封筒とは?
封筒は相手先は寺院なので、白の無印の袋(封筒)を使います。
お盆のお布施は相手に不幸があったわけではなく、お寺側にお渡しするものなので、一般的には水引きを付けません。
市販のものもありますが、水引の色が地域によって異なる場合もあるので、お布施、御膳料、お車代、すべて白無地の封筒が適切です。
それぞれ表書きと名前、金額を書いてお金を包みます。
表書きは薄墨ではなく、普通の墨(黒)で書けばOKです。
黒い墨がなければ、万年筆やサインペンなどの黒い筆記具を使いましょう。
書く内容は上段に「御布施」「お布施」「御経料」などと書き、下段に氏名を書きます。
表書きは「御布施」で間違いはありませんが、無地のまま何も書かない状態でお渡ししても失礼にはあたりません。
無地を使う時は裏側には必ず、名前や住所の記載をしましょう。
POINT!
金額や名前を書かないというケースも聞きますが、受け取る側に立ってみると明記されていたほうが管理しやすい面があります。
お寺さんによっては、寺院(宗教法人)として会計処理を行っています。
非法人寺院でも御布施は寄付金会計、車代・御膳料は雑所得で確定申告というケースもあります。
こういった意味からも、御包みはそれぞれ分けて包み、きちんと表書きと名前、金額を記入するのが望ましく丁寧です。
お布施のお金の包み方
お金は新札を用意できるといいです。
新札がない場合は、なるべくきれいなお札で御包みしましょう。
お金は、お札の人物像が描かれている部分が表側を向くように揃えて入れます。
上述のように、お布施の封筒の表書きに「御布施」「お布施」「御経料」などと黒い墨で記入した封筒を使います。
中袋の裏面の左側、もしくは封筒に「御布施」とプリントされている封筒の場合は、封筒の裏面の左側に住所氏名、右側にお布施の金額を漢数字で記入します。
■ 旧字体の例
一 → 壱
二 → 弐
三 → 参
五 → 伍
十 → 拾
例:3,000円 → 参仟円
5,000円 → 伍仟円 伍阡円
10,000円 → 壱万円 壱萬円
お坊さんにお布施を渡す時はお盆か袱紗で
お布施を渡す時、直接手渡しするのは失礼にあたります。
お盆の法要の時にお寺の方に御布施をお渡しする時は、小さなお盆にお布施をのせてお渡しします。
表書きが書いてある方を上にし、お坊さんから見て正面に見えるように小さなお盆に乗せてお布施を受け取っていただきます。
お盆が用意出来ない時は、『袱紗(ふくさ)』でもかまいません。
袱紗(ふくさ)とは結婚式や葬儀といった冠婚葬祭において、ご祝儀や香典などを包む四角い布のことです。
袱紗でお渡しする場合は、お坊さんが受け取りやすいように、袱紗の上にお布施をのせて渡すといいでしょう。
こちらの袱紗は、片方に金封を、そしてもう片方にチャック付の袋がついていて、その中に数珠を入れることができます。
■ふくさ 慶弔両用|印伝調 【金封念珠入れ】 黒白・化粧箱入り(ファスナー付)【金封ふくさ】【袱紗】【あす楽対応】
渋めな印象ではありますが、ソフトタイプの袱紗なので持ちやすく、とても使いやすい袱紗です。
印伝をイメージしたおしゃれな柄なので、仏事だけでなく慶事の時もお使いいただけます。
お坊さんにお布施を渡すタイミング
お布施を渡すタイミングは、お坊さんが読経を終えてお帰りになる時です。
「些少ではございますが、これはお礼でございます。どうぞお納め下さい」
などと一言、今日のお礼をお伝えしながらお渡しします。
お盆の法要お布施の金額相場と意味お坊さんに渡すお金の包み方封筒マナー まとめ
金額に関しては相場に幅があるものの、あなたの「気持ち」で妥当な金額を決めればOKです。
お金は新札を用意できるといいですね。
ない場合は、なるべくきれいなお札で御包みしましょう。
お布施の金額は、地域によっては慣習がある場合もあります。
尋ねられるなら、ご両親や親類、年長者の方に確認するのが安心です。
お坊さんにとっては忙しいお盆の時期、できるだけ丁寧に接したいものですね。
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