お盆に行われる灯篭流しにはどんな意味があるの?
精霊流しとの違いは?
全国の有名な灯籠流しイベントは?
その疑問、解消します!
灯籠流しとお盆の送り火の関係、
精霊流しとはどのような意味を持つのか、
勇壮な精霊船の様子も含めて、
わかりやすくお伝えします。
お盆に行う灯篭流しの意味は?
お盆の行事は、地域によってさまざまですが、「灯篭流し(とうろうながし)」の様子はテレビの番組やニュースなどで見たことがあると思います。
夏の夜、川に浮かび上がる灯りたちの幻想的で美しい景色は、日本ならではの風情を感じる世界です。
灯篭流しとは?
灯篭流しの「灯籠(とうろう)」というのは、日本の伝統的な照明の一種。
竹、木、石、金属などの枠に紙や布を張って、中に火を灯すものです。
漢字では「灯」の字を「燈」、「籠」の字を「篭」とも書きます。
灯篭流しとは?
灯籠流しは、死者の魂を弔って灯篭(灯籠)やお盆のお供え物を海や川に流す古くから伝わる日本の行事です。
一般的には、灯篭流しはお盆の時期に行う、「送り火」の一種です。
送り火というのは、お盆の初めにに、あの世からこちら(現世)へ帰ってきた死者の霊を、お盆の終わりにあの世(極楽浄土)へ送り出すために火を焚く行事のこと。
死者の霊があの世への道で迷うことのないように、お盆の終わりには道しるべとして送り火を灯す地域があります。
灯篭流しは、その送り火のひとつです。
故人(死者の霊)をあの世に送り出す送り火として、魂を慰め、弔い、灯篭やお盆のお供え物を海や川に流すのが灯篭流しです。
灯篭流しを行う時期ややり方は地域によっても異なり、夏祭りや花火大会などと一緒に行われることもあります。
地域によって灯籠流しのならわしは違いますが、主だった内容は、灯籠に手書きで名前やメッセージを書き、中に小さなろうそくを灯して川へ流すというものです。
灯籠流しで有名なイベントは?
有名なところでいえば、京都や広島の灯籠流しが広く知られています。
京都の嵐山で行われる灯籠流しは、大文字五山送り火の当夜にあたるので、渡月橋付近からは「大文字」と「鳥居形」を同時に眺めることができます。
広島の灯籠流しは、原爆の被爆者や戦災殉難者を慰霊するために行われています。
「ピースメッセージとうろう流し」という名称で、毎年8月6日の平和式典の夜に、広島原爆ドーム前で開催されます。
こちらの映像は2022年のものです。
原爆ドーム前を流れる元安川に灯籠を流して、 原爆、戦災、一般死没者のご冥福を祈るとともに、広く世界へ平和のメッセージを発信し、恒久平和を祈願する行事です。
毎年1万以上もの灯篭が流される景観は、厳かで美しい非日常的な空間です。
他にも、福島では花火大会も同時に開催される「福島とうろう流し花火大会」、横浜の上大岡で行われる「横浜大岡川灯籠流し」などがあります。
灯篭流しと精霊流しの違いは?
お盆の時期に川に灯籠を流すのは、灯籠流しの他にも「精霊流し(しょうろうながし)」というものがあります。
精霊流しの「精霊」は、『死者の霊魂、みたま』を意味します。
灯篭流しと精霊流しは、意味合い的には基本は同じです。
どちらも死者を弔って、あの世に帰る故人のために行われる送り火の一種です。
精霊流しは、さだまさしさんのグレープ時代の曲で全国でも有名になりましたが、実は、精霊流しは日本の中でも長崎県と佐賀県などの一部の地域でしか行われていません。
灯籠流しと精霊流しの一番の違いは、精霊流しには「精霊船(しょうろうぶね)」と呼ばれる船を用いることです。
全国的に言えば灯籠流しが一般的ですが、精霊船を出す地域では、精霊流しと呼ばれているというわけですね。
精霊流しとはどんなことをする?
精霊流しは、毎年8月15日に行われます。
精霊流しは、初盆を迎えた故人の家族らが、盆提灯や造花などで飾られた精霊船に故人の霊を乗せて、「流し場」と呼ばれる終着点まで運ぶ行事です。
実際は、ほとんどの地域で精霊船を海に流すことはなく、流し場で解体されます。
精霊船は提灯や造花などで飾られ、お祭りの山車のような感じです。
灯籠流しの時に花火大会を催すところもありますが、精霊流しには爆竹が使われます。
街なかを精霊船を押しながら、大量の爆竹を鳴らして歩くのです。
なぜ爆竹を鳴らすのかというと、爆竹には魔除けの意味があり運ぶ道中を清めるためだとされています。
灯籠流しは幻想的で厳かな「静」のイメージがありますが、精霊流しは爆竹を鳴らし、鐘も鳴らしながら人の手によって精霊船を移動させるので、灯籠流しに比べると、とてもにぎやかな印象です。
見た目も華やかなので、お祭りと勘違いする見物客もいるようですが、実際は故人を追悼する行事。
精霊流しの動画を見ると、お祭りかと思ってしまうのも頷けます。
お盆の時期に行う灯篭流しの意味は?精霊流しとはどんな違いがある?まとめ
灯籠流しは、死者の魂を弔って灯篭(灯籠)やお盆のお供え物を海や川に流す古くから伝わる日本の行事です。
地域によって灯籠流しのならわしは違いますが、主だった内容は、灯籠に手書きで名前やメッセージを書き、中に小さなろうそくを灯して川へ流すというものです。
灯篭流しと精霊流しは、意味合い的には基本は同じです。
どちらも死者を弔って、あの世に帰る故人のために行われる送り火の一種です。
灯籠流しと精霊流しの一番の違いは、精霊流しには「精霊船(しょうろうぶね)」と呼ばれる船を用いることです。
お盆は、故人があの世からこちらに帰ってくる時期。
家で過ごした故人があの世に戻る時に迷わないためにも、送り火である灯籠流しと精霊流しは大切にするべき風習ですね。
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