秋の日は釣瓶落としの意味は?なぜそう感じる?使い方の例文もご紹介!

秋の日は釣瓶落としの意味は?なぜそう感じる?使い方の例文もご紹介!

「秋の日は釣瓶落とし」とはどんな意味?

なぜそのように言われるの?

ことわざの使い方や例文は?

その疑問、解消します!

「秋の日は釣瓶落とし」が持つ言葉の意味合い、

科学的な根拠はあるのか、

日常的に使われるときの例文も含めて、

わかりやすくお伝えします。

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秋の日は釣瓶落としとはどんな意味?

秋の日は釣瓶落としの意味は?なぜそう感じる?使い方の例文もご紹介!
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秋になるとよく見聞きする言葉に

秋の日は釣瓶落とし (あきのひはつるべおとし )』

ということわざ(慣用句)があります。

これは、

秋は他の季節に比べて急速に日が暮れる

ということを表しています。

秋は日が暮れだすと、すぐに夕日が沈んで暗くなってしまいます。

秋の日没の速さを、井戸に落とす「釣瓶(つるべ)」のはやさにたとえて言う慣用句ですが、

今どきは、「釣瓶」を知らない、見たこともない人のほうが多いですよね。

釣瓶というのは、井戸から水をくみ上げるときに使う「桶(おけ)」のようなもの。

つるべ 井戸

釣瓶(つるべ)には紐縄と滑車がついていて、滑車を回転させて、井戸の底から上まで水を汲み上げる仕組みになっています。

井戸の水を汲み上げる時、しっかりつかんでいた紐縄は、手を離すと勢いよくスルスルッと直下の井戸の底へと落ちていきます。

このことから、秋の夕日が沈む速さを、井戸のつるべの様子にたとえているんですね。

俳句界ではこの「釣瓶落とし」が秋の季語の一つとして使われています。

秋の日は釣瓶落とし なぜそう感じる?

秋になると日が短くなるのはわかってはいても、夕方、まだ明るいなと思っていると、ふと気がつくとすっかり日が暮れて暗くなっているのに驚くことがあります。

まさに、『秋の日は釣瓶落とし』。

なぜ秋はあっという間に日が暮れると感じるのでしょうか?

秋は日没の時刻が早い

秋の日は釣瓶落としの意味は?なぜそう感じる?使い方の例文もご紹介!

秋は夏よりも日没の時刻が最大で2時間以上早くなります

ご存知のように、日没時刻というのは、春から夏に向かって遅くなり、夏から秋に向かって早くなっていきます。

午後の6時を過ぎても明るい夏の日没の時間に慣れてしまうと、秋の日暮れの時刻が早いことも、『秋の日は釣瓶落とし』を感じるひとつの要因です。

昼間の長さは、太陽の高さで決まります。

太陽が空の高いところを通過すれば、それだけ、空を横切る時間が長くなります。

太陽が空の最も高いところを通過するのは夏至の日(6月21日頃)です。

逆に、冬至の日(12月22日頃)に最も低くなります。

日の出の早さ・遅さ&日の入の早さ・遅さもだいたいは昼間の長さで決まります。

昼間が短いということは、それだけ日の出が遅く、日の入(日没時刻)は早くなります。

このように理屈でいえば、秋ではなく12月のほうが日没は遅いのですが、

『秋の日は釣瓶落とし』ということわざ(慣用句)には、日没の時刻が早まることよりも、

日が沈みかけてから完全に暗くなるまでの時間が短くなる

という意味合いがあります。

秋は薄明が続く時間が短い

とりわけ秋に「釣瓶落とし」のごとく、急に日の入りがやってくるのを体感するのには『薄明(はくめい)』という現象が関係しています。

『薄明』とは、日の出のすぐ前、日の入りのすぐ後の、空が薄明るい(薄暗い)時のことです。

秋の日は釣瓶落としの意味は?なぜそう感じる?使い方の例文もご紹介!

太陽が昇ってくる前や沈んだあとに、空がほのかにうっすらと明るくなってる状態を見たことありませんか。

あれが『薄明(はくめい)』です。

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『薄明』は魔法のように美しい空が見られることから「マジックアワー」とも呼ばれます。

『薄明』は地平線(または水平線)の下にある太陽からの光が、上層の大気によって反射したり散乱されたりして起こる現象です。

『薄明』には「市民薄明(常用薄明)」「天文薄明」などの段階がありますが、ここでは一般的に称する『薄明』でお伝えしますね。

一年でこの『薄明』が継続する時間が最も長い月は6月で、日が沈んでから約1時間50分ほどかけて、ゆっくり暗くなっていきます。

ですが、9月&10月は、日が沈んでから約1時間25分で夜を迎えます。

この30分近くの差が、「急速に日が暮れる」という体感になるのではないかと思います。

秋は日に日に日照時間が短くなってくるうえに、『薄明』の継続時間も短くなるため、

薄暗くなってきたと思ったら一気に暗くなった

と感じやすいというわけです。

ちなみに『薄明』が起こる主な要因は、大気中に含まれる「塵(ちり)」です。

大気中の塵が太陽の光によって乱反射することによって、『薄明』の現象を引き起こすので、

秋になると『薄明』の時間が短くなるのは、夏に比べると空気(大気)が澄んでくるからなのかもしれません。

秋の日は釣瓶落としの使い方と例文

『秋の日は釣瓶落とし』は「一気に日が暮れること」を表すときに使います。

秋の日は釣瓶落とし

秋の日の「日」は日にちのことではないのでご注意を

『秋の日は釣瓶落とし』ということわざの使い方を、例文でご紹介しますね。

「秋の日は釣瓶落としというように、あっという間に日が暮れた」

「秋の日は釣瓶落とし、帰りは同じ時間でも暗いので気をつけてね」

「さっきまで夕焼けで明るかったのに秋の日は釣瓶落としで、もう真っ暗だ」

「秋の日はつるべ落としというから、懐中電灯を持っていこう」

「秋の日はつるべ落としだから、早めに下山して宿に戻ろう」

「秋の日はつるべ落としだから、ここから先の作業は明日にしよう」」

「秋の日はつるべ落としだから、子供にはできるだけ早く帰ってくるよう言い聞かせた」

「秋の日はつるべ落とし、紅葉を眺める間もなくあたりは真っ暗になった」

「どういうわけか気持ちが焦るのは、秋の日はつるべ落としと関係があるかも」

「まだ夕方と思っていたが、秋の日はつるべ落とし。明かりなしでは足元が見えなくなった」

「日が落ちるのが早いですね。秋の日はつるべ落としとはよく言ったものです」

「秋の日はつるべ落としで、夜が長いから読書に最適な季節だ」

秋の日は釣瓶落としの意味は?なぜそう感じる?使い方の例文もご紹介! まとめ

『秋の日は釣瓶落とし (あきのひはつるべおとし )』は、

「秋は他の季節に比べて急速に日が暮れる」

という意味です。

秋の日が井戸の釣瓶(つるべ)が落ちるように早く沈み、暮れてしまうのが早いことのたとえです。

意味合いとしては、日没の時刻が早まることよりも、

「日が沈みかけてから完全に暗くなるまでの時間が短くなる」

といったニュアンスがあることわざ(慣用句)です。

秋に「釣瓶落とし」のごとく、急に日の入りがやってくるのを体感するのには『薄明(はくめい)』という現象が関係しています

例文でご紹介したように、『秋の日は釣瓶落とし』は、「一気に日が暮れること」を表す意味の使い方をします。

秋はあっという間に日が暮れますが、 「読書の秋」、「食欲の秋」、「芸術の秋」などと言われるように、秋ならではの楽しみもたくさんあります。

秋の夜長にゆっくりとリラックスできる時間を持つのもいいですね。

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